11個目（1） 爆豪side ページ29
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心臓が止まるかと思った、とはきっとこうゆう事なのだ。ああ、日焼けしにくいすぐ真っ赤になる肌から血の気が引いている。あんな、服がぼろぼろになって、待ってろ、パーカー持って来てやるから…あれ、血が出てんな。…………ん？？なんで。
それから先の事は恥ずかしながら何も覚えていない。気が付けば敵を押さえつけて、光原の血のついている左手のナイフを取り上げて、どこがいい？と問いかけていた。
………
「いっやぁ！参ったね！」
けたけた笑うこの女は人の心配をなんだと思っているのだろうか。注射でも「毛穴よりでかい針さすとか頭おかしいんじゃないの！」とぷんすこ腹を立てるのにナイフで刺されるのは別だったらしい。
「いや、ニュースで見たときはびびった。ひゅんって心臓がなった」
「ほんとだよ〜〜後数ミリ深かったら駄目だったんでしょ？」
「うっひゃー同期怪我人第一号じゃん！痛くねえ？いや、痛いわな。って、えっ？？！！これ夕張メロンじゃね？食っていい？」
半分野郎、黒目、アホ面も安堵の声を漏らす。一方光原は「おーおーメロンでも苺でも食い散らかして」と笑っている。一応を確認して不機嫌さを隠しもせずに俺は席を立って自販機に向かった。
変装用のキャップを被って廊下を歩くと独特の消毒剤の匂いが体に絡む。あまり馴染みがない所だからか何処にいても居心地の悪さが付きまとってくるわで機嫌は良好に下がり続けている。
クソ苦い気分を苦い珈琲で胃に流し込むと、一口いいか、と後ろから声がかかった。返事を返す前に回り込まれてついでとばかりに珈琲缶を掻っ攫われる。
「なんだてめえ」
「や、別に…………これ苦くねえか」
「ブラックだからな」
俺まずカフェオレが好きなんだ、といらぬ報告をする轟を無視する。手持ち無沙汰らしい長い指を捏ねくり回しながら言葉を詰まらせている男は、高校の時はもっとはっきりしていたのにどこか変わったらしい。
「……そんなに怒ってやんなよ」
「あ？」
「あいつだって咄嗟に飛び出しただけなんだろうし、分かってる」
「違えだろ、周りが見えてなかった、ヒーローとして間違った判断だった。急かなけりゃあ怪我をする必要も無かった…………あいつの失態だ」
「……だとしても、だ。もし俺が同じ事をしてもお前は怒らなかっただろ。お前こそ私情入りまくってんじゃねえか」
呆けている癖して指摘は鋭い。立ち上がる俺を見ても後ろから声はかけられなかった。
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ろうそく(プロフ) - 無気力感さん» 素晴らしい考えですね！(笑)でもそれだと私死ぬ(笑) (2019年3月27日 7時) (
レス) id: 5667c76eb9 (このIDを非表示/違反報告)
無気力感(プロフ) - ろうそくさん» コメントありがとうございます！私の中のかっちゃんは付けてるので本当です（？）どんな世界線でも自身がそう思えるのならそれは公式ですよ！！（無茶苦茶）これからもよろしくお願いします！ (2019年3月26日 22時) (レス) id: b33f570211 (このIDを非表示/違反報告)
ろうそく(プロフ) - かっちゃんが本当にこんな日記付けてたら萌死できる自信ある。 (2019年2月27日 22時) (レス) id: 5667c76eb9 (このIDを非表示/違反報告)
無気力感(プロフ) - サンさん» コメントありがとうございます！長くて占ツクには似合わない書き方だと常々悩んでいるのでそう言っていただけると、とても励みになります〜！爆豪fightですね笑 これからもよろしくお願いします！ (2018年12月21日 1時) (レス) id: 67c7f64e95 (このIDを非表示/違反報告)
サン(プロフ) - 爆豪勝己がスパダリ過ぎて惚れた文の書き方めっちゃすきです (2018年12月16日 15時) (レス) id: b04ff4926f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：無気力感 | 作成日時：2017年12月25日 16時
