第9話 春奈ちゃんの力 ページ10
円堂「宵宮お前すっげぇな！！！」
円堂君も駆け寄ってきてすんごいキラキラと輝かせた目で言う。
A「そう？？へへへ、ありがとう！」
自慢の脚力を褒められるのは素直にうれしい。
豪炎寺「なかなか良いシュートブロックだったな。」
豪炎寺君が面白いものを見るかのように、目を細めてほほ笑む。
ななななんと…！エースストライカーさんにまでそう言ってもらえるなんて…！！
どうしよう…にやけてしまう…！！
嬉しすぎて…
私は明日しんでしまうのかな…
どうせしぬなら、最後にたこ焼きとラーメンとクレープをたらふく食べたかったなあ…
そんでもって、緑川の目の前で抹茶ソフトクリームをおいしそーに食べちらかしてやりたかったな…
なんてアホなことを考えていると、
春奈「宵宮先ー−輩ー−！！大丈夫ですか？？」
私の足を心配してくれたらしい後輩の春奈ちゃんが駆けつけてきてくれた。
A「ああ、全然大丈夫だよ〜ありがとうね〜」
赤くなってるじゃないですか！！と春奈ちゃんが眉をハの字にしながらに言うのに対して、私はヘラりと笑って大丈夫そうに見せる。ほんとは少し痛いけど。
こんなに優しくてかわいい後輩を持った私は幸せだなあ…！！
春奈「そうはいきませんから！！」
そう言って私の腕に自分の腕をするりと通してがっしりと捕獲してくる春奈ちゃん。
A「…え？？」
春奈「さあ、アイシングしにいきますよ！！」
そのまま私をずるずるとベンチへ引っ張っていく。
A「いやあああ〜！！！まだ大丈夫なのにいい〜！！」
春奈「だ〜め〜で〜す！！！そうやってほっとくと悪化して、後からもっと長く休まないといけなくなった選手たちをたくさん見てきたんですから！！」
ごもっともなんだけれども…
まだまだやり足りないよおおおお！
Aは半分駄々っ子のような気持ちで抵抗してみる。
けれども引っ張る春奈ちゃんの力はものすごく強くて抵抗できない。
A「まだ1回しかボールに触ってないのにいいいいい！！」
Aの悲しい叫び声はどんどんベンチのほうへと消えていく。
基山「…行っちゃったね。」
苦笑いのヒロト。
玲名「いや…面白すぎるだろ…！」
体を震わせ、笑いを堪えきれない玲名。
緑川「Aには申し訳ないけどちょっと微笑ましいよね。」
そう言って微笑む緑川。
そんな同胞たちの会話は、遠く離れていったAにはもちろん届かない。
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作者名：丸山もち粉 | 作成日時：2022年9月25日 1時
