Valkyrieの人形はプロデューサー (ページ49)

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第四十六話ページ49

北斗くん、生き生きとしてる！彼自身が、誰よりも、自分に対して理解している。だからこそ最大限の力を発揮できるのだろう。
「俺は、もう縛られない！『Trickstar』で頂点を目指す！誰よりも輝く一番星になるんだ！」
「私も少々本気をだすとしましょう」
弓弦くんがラストスパートをかける。私は精いっぱい北斗くんを応援した。頑張れ……！
「遊木、次はお前だ」
「う、うん！」
真くんがマイクを握りしめ、前へ歩み出す。
「ボクの対戦相手は『Trickstar』でいちばんの小物か～？」
「な、なんか酷いこと言われてる！？どうしよう……また震えが…！」
私はすかさずスケッチブックに何かを書いて見せた。
『泉さん』
「ゆ～うく～ん！敗けたら俺が貰ってあげる～！」
「えっ！？なんで泉さんがいるの！？」
真くんは震えていたことを忘れ、「絶対に負けたくない……！」と呟いていた。
「確かに僕はみんなの足を引っ張ってる……でも、今まで頑張ってきたんだ！」
「な～にいきなりやる気出しちゃってるの～？こんなヤツ、ボクが潰してあげる☆」
「見てろよ！」
桃李くんのソロ曲が流れ出す。真くんが息を呑んで桃李くんのパフォーマンスを凝視していた。
(すごい、でも……！)
彼の瞳に宿された灯りは、決して消え去ることはないのだろう。