Valkyrieの人形はプロデューサー (ページ34)

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第三十一話ページ34

「やぁ、どうしたんだい？転校生ちゃん」
相変わらず向かいの机から手を振っている会長。そこにスバルくんは一枚の書類を見せた。
『Trickstar解散申請書』。そこには北斗くんの判子が押してある。北斗くん……どうして……？北斗くんは『Trickstar』にはかけがえのない、道を照らしてくれる重要人物だ。勿論、彼だけではない。真くんも、真緒くんも……。みんな、いなくなってはならない存在なのだ。それなのに……。
『目的は、私のはずでしたよね？なにが不満でしたか？』
「だって、彼をそのままにしておくと、君がまた取られちゃいそうで」
「転校生は物じゃない！」
スバルくんが声を荒らげる。
『もしも会長がまだそのようなことをなさるのなら…私はストライキします。あるいは、普通科に移動します』
「ふふ、面白いね。じゃあ次は僕たち『fine』と君たち全員で闘おうじゃないか」
冗談にもほどがある。会長はいつも、いつも……。でも、これはチャンスだ。ここで勝てれば、私は帰れる。
「やるよ」
スバルくんが真剣な顔でその提案を呑んだ。私も続けて言う。
『やります。ここで終わったら、この学院に、未来はない』
「よし、それじゃあ【DDD】で決着をつけよう。これは、僕たち『fine』対君たち『ユニット』の闘いだよ」
上等……！やってやる！そう自分を鼓舞した。この話は、学院のHPに掲載され、全校『アイドル科』の生徒全員に知られるそうだ。そこで、合同ユニットなどを組み、【DDD】で『fine』と争う。優勝したら、『生徒会』のできる範囲でなんでも願いを聞いてくれるらしい。
部活の部費や防音レッスン室の貸出、ライブ出演などなど、金持ちだからこそできそうなことばかりだ。
私は、スバルくんと優勝するために、『Valkyrie』に帰るために……。
絶対、勝つんだ。