Valkyrieの人形はプロデューサー (ページ12)

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第十話ページ12

帰宅時間。最終下校時刻はとっくに過ぎていて、宗さんが送ってくれた。ついでに作った衣装もだ。私服として着てもいいらしい。
玄関の扉を開けるといつものように怒鳴り声が耳につんざく。ああ……また始まった……両親は仲が悪くて毎日喧嘩している。父親が壁を拳で殴る音。母親の甲高い声。おかげでよく眠れない。小さい頃からずっとだ……よく続いていられる……。
自室へ静かに入り、机の上にスケッチブックを広げた。色鉛筆を手に取りイメージをそのまま描いていく。案外素早く描けるものだな……。
部屋の外でドンッと鈍い音がした。どちらかが怪我をしたのだろう……。
色鉛筆を置き、描き上げたものを掲げ出来栄えを見る。素人なら普通にかけそうだな。
そう自分に劣等感をぶつけていた。
(もう寝よう……)
寝間着に着替えてベットに潜り込む。目を閉じて相変わらず叫び続ける両親の声から遠ざかりたいと願った。
♪
翌朝。徹夜でケンカしてたのかと思うくらい早朝まで親の叫び声が続いていた。
いや、もう凄いよ……。
登校途中、近所の人に謝りながら道を歩いた。朝一番に謝る。それが日課になっていた。
学校周辺へ近づいてくると、流石に見かける生徒数も多くなっていく。普通科の女子生徒もちらほらと見えてきた。
そして痛いほど突き刺さる周りからの視線……。わかってる、わかってます。プロデューサー科の生徒(オンリーワン)がノコノコと登校したら通行の邪魔だね！？
つい心の中で取り乱してしまった。
「おっはよ～☆」
スバルくんの朝から威勢のいいモーニングタックルを食らう。痛い……。
ぶつけた肩をさすりながらスバルくんと登校した。朝から騒がしい一日を告げそうな感じだった……。