62 ページ11
マイキーの登場に相手は意気消沈。
武器を捨てて、相手の総長が額を地面につけた事で解決した。
三途は始終ブツブツ文句を言っていたが、マイキーは満足気に一度頷いて帰って行った。
花垣曰く、今はバブで日本一周しているらしい。
連絡した時は九州にいたとか。
今度どら焼きの詰め合わせでも送ろうと思う。
「……金の使い方で怒られたのもAが初めてだった
俺を思って怒ってくれたことが嬉しかった
Aといると自然な俺で居られるし、何より心が暖かくなる
好きだA
……俺と、付き合って欲しい
何があっても守るって約束する」
過去にこれほど緊張した事はないと言うほど心臓が大きく音を立てる。
Aにも聞こえているんじゃないかと思うほど音を立てて、机の上に置いた手は握りしめて無いと震えるくらいだ。
目を大きく見開いて俺を見つめるAは、少し頬を染めて自分の手元を見た。
『……私もココに言わなきゃいけないことがあるの』
少し真剣な顔をして俺を見るAに少し背筋が伸びる。
『……ごめん』
Aが呟いたその言葉にガラガラと俺の中で何かが崩れた音がした。
けど、どこかでわかってた。
全てを話したとき、つい最近まで族をやっててそれも犯罪者紛いなことをしてきた俺が、一般人のAに受け入れてもらえるはずがないと。
今まで俺に笑いかけてくれていたのも、��ココ��とその耳に心地よい高音で呼んでもらえてた事も、全て過去の自分を知らないからだ。
自然に下がっていく自分の視線。
とうとう自分の手が見えた。
先ほどとは違う意味で握りしめられた手。
過去の自分の行いを今になって後悔する。
『私、知ってたんだ
ココの過去』
「は？」
自分でも聞いたことがないほど間抜けな声が出た。
「え？…しって…は？」
『前にイヌピーや千冬くん達に教えてもらったんだ』
へへっと笑ういつも通りのA。
『勝手に知っててごめんね』
え、まさかさっきの��ごめん��はそのごめん？
ゆっくりと立ち上がったAをまだ理解が追いついていない頭のまま、目の前まで歩いてくる様子をただ見つめた。
いつもは見下ろしているAが目の前に立ったことで見上げる形になる。
『ココはすごいね』
「…は…？」
ゆっくりと伸びたAの両手が俺の頬を包む。
暖かく柔らかい小さな手。
すごい？俺の何が？
今までしてきたことは褒められるものじゃない。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 462人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
玉兎(プロフ) - えりちゃんさん» 初めまして！コメントありがとうございます☺️ なんと2回目！楽しんでもらえて嬉しい限りです！！ これからも頑張っていきますのでよろしくお願いします！✨✨ (6月15日 11時) (
レス) id: 51ccdf4ac7 (このIDを非表示/違反報告)
えりちゃん - はじめまして☺️実は読ませてもらうの2回目なんですが､きゅんきゅんが止まりません！毎日の楽しみになっています💕 (6月15日 2時) (レス) @page7 id: 84c92b84c7 (このIDを非表示/違反報告)
玉兎(プロフ) - 香恋さん» コメントありがとうございます！ はじめまして☺️ 中毒症状出ましたか〜夜更かしまで😂😂 嬉しいコメント励みになります✨ありがとうございます🥰 頑張ります！！💪 (2023年1月29日 20時) (レス) id: 5cb8755336 (このIDを非表示/違反報告)
香恋 - はじめまして！一昨日この作品を見つけて、テンポも良いし面白すぎて読むのが止まりませんでした！読む手が止まらなくて中毒症状出ました笑。面白い展開と文才の凄さに夜通し読んでしまいました！更新楽しみにお待ちしてます😭 (2023年1月29日 13時) (レス) id: da7568f49d (このIDを非表示/違反報告)
玉兎(プロフ) - れなさん» コメントありがとうございます！！✨ 嬉しいお言葉感謝感激です！！🥳 地道に下書き進めてますので少しお待ちください！よろしくお願いします☺️ (2023年1月24日 22時) (レス) id: 5cb8755336 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：玉兎
| 作成日時：2022年10月28日 18時
