256.遠慮（ジェイ） ページ9
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「雑談はここまでにして、そろそろパート決めなきゃな」
見てみよう、とジョンウ兄さんがタブレットでオリジナルのパフォーマンスを再生する。わかってはいたけれど、息の揃ったダンスと高音を同時にこなす難易度の高い曲だな、と動画を見ながら改めて思った。ジョンウ兄さんも「やっぱり高い」と呟いて、ホンハイも同意するように「難しそう」と口にする。
「まずキリングパートを決めなきゃだよな。俺はラップパートで確定だし、俺以外のみんなが歌ってみて決めよう」
「あ……ジョンウ兄さん」
「ん？ どうしたナナ？」
「俺、キリングパートはちょっと……別のパートやりたいです」
ナナがおずおずと手を上げて、ジョンウ兄さんが反応すると。ナナ兄さんは少し申し訳なさそうな顔でそう言った。それに、ジョンウ兄さんは顔を思いっきり顰める。スンオンやユンソ、ホンハイも流石に顔は顰めていないけれど、目を瞬かせて困惑した表情をしているし、俺もきっと同じような顔をしているはずだ。
(そうだ、ナナは前回みんなにパートを譲って自分は一番少ないパートをしたんだった)
自分は知名度があるしボーカルが強みなのはみんな知っているから、と自分から目立たないパートに立候補したらしいナナ。そんな優しすぎる性格だからこそ、今回の曲決めでも誰か追い出すことなく残っている『GANG』か『Home』を選ぶだろうとみんな考えていたし、実際そうだった。いつだって他人を気遣うナナをみんな「人格者」だと慕っているし自分もそうだけれど、実際に同じチームでこうやって遠慮する姿を見せられると困惑というか、心配してしまう。ナナはいつも自分のしたいことを諦めて我慢しているんじゃないかって。
「なに遠慮してんのナナ。そういうのいいから。前回のミッションでみんなボーカルが強いってのは証明されたし、今回も譲ったりしなくていい」
「いや、別に遠慮はしてないですけど……でも曲をつくった人間がキリングパートをしたらちょっとずるくないですか？」
「遠慮してんじゃん！！」
「し、してませんって……。それに俺……昔カバーしてますし。またキリングパートをしたら新鮮味がないと思うんですよね。だったら他のみんながやった方がいいというか……」
ジョンウ兄さんの剣幕に焦りながらそう付け足すナナ。その理由も遠慮しているような気がするけどな……と思いつつ、「じゃあナナは他に歌いたいパートがあったりする？」と聞いてみた。
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アップルパイ(プロフ) - なのこ5546さん» いつもコメントありがとうございます！ 更新してすぐ読んで頂いて本当に嬉しいです。書いてる自分もしんどいな……と思っているので、早く明るいシーンまで行きたいなとなってます……🥲 これからも更新頑張るのでぜひよろしくお願いいたします。 (8月4日 3時) (
レス) id: a55c9bddea (このIDを非表示/違反報告)
なのこ5546(プロフ) - 最新話読みました！思わず、ナナー！！！！って叫んじゃいました😭アップルパイさんの小説大好きなのでこれからも更新楽しみにしています💘 (8月2日 7時) (レス) @page22 id: 2327b9d39c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アップルパイ | 作成日時：2023年7月24日 22時
