「君は悪くない」6

248.デュアル ページ1

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「二回目のミッションを発表します。……二回目のミッションはデュアルポジションバトルです」


(デュアル……？)

 新しいスターマスターであるBTOBのミニョク先輩がそう言ってパネルが公開されると、周りからは困惑の声が上がった。
 私も思わず首を傾げてしまった。グループバトルの次はポジションバトルだろうなとは想像していたし、自分はやっぱりボーカルでバラード曲かなと考えていたのだけど、「デュアルポジションバトル」という名前は初耳だったから。デュアルってなんだろう。意味自体は二重の、って感じだけど。



「このミッションは二つのポジションを務め展開するバトルです。一つ目のポジションはボーカル&ラップ。アレンジを通して魅力的なボーカルとラップメイキングをしなくてはなりません」


「ラップを作る？」

「韓国語でね」

「え〜！ もしそうなったらナナ兄さん助けてくだいね！！」

「うん、良いよ」


 確かにGグループの練習生が韓国語でラップメイキングをするのは大変かもしれない。マシューとクァンルイ兄さんがそんな話をして、マシューが焦りながら私の腕を掴んでそう言ってきたのを私は笑って頷く。マシューのラップはちょっと見たい。


「二つ目はボーカル&ダンスです。編曲と創作ダンスで自分を表現します。最後はラップ&ダンスです。二つのポジションで自分の力を発揮します」


(うーん……どれも難しそうだけど……やっぱり私はボーカル&ラップになるのかな。まだ曲は分からないけれど)

 編曲は出来るからボーカル&ダンスもありかもしれないけれど、ダンスの創作はあまり自信が無いというか、自分の専門外だと思うから。
 ボーカル&ラップにいい感じのバラード曲がありますように、そう願いながら続くミニョク先輩の説明を聞く。どうやら今回はKグループとGグループ対抗ではなく、グループ関係なくチームを編成できるようだ。それは本当に良かったと思う。いつまでもKグループとGグループがバチバチしてたら胃に穴が空いてしまいそうだ。




「じゃあ、今回はナナと一緒になれるかもしれないんだ」

 隣にいるハンビンが小さくそう言った。


「あー、そうだね」

「え？ なんか反応薄くない？ ナナ、俺と同じチームなの嫌なんだ？」

「そういうわけじゃ……」


 むしろ。そう言おうとして、なんだか気恥ずかしくなってきゅっと口を閉じる。そんな私に気付かず、ハンビンは「ほんとかなあ」と冗談交じりに笑っていた。





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