主任、こっち向いて！【JN】

さよなら、プリンス ページ34

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あれからまた月日は流れ、半年以上続いた合同プロジェクトも、佳境に差し掛かった。


企画発表プレゼンでは大失敗したけど営業で挽回しようと頑張って、無事企業との契約にもこぎつけた。


頑張ったねってホソクさんもテテもジミニも褒めてくれて嬉しかったけど、一番褒めてほしい人はおつかれさまって素っ気なく言うだけで。




仲良くなる前に戻ったみたいだなあって寂しくなる。
あの時は主任に笑って欲しくて気に入られたくてどれだけ冷たくされても頑張れたけど。


優しく笑う主任を知ってしまったからこそ冷たさがナイフのように心をえぐって、立ち直れないくらい辛くなる。

主任にはソユンさんがいるのに、私はまだこんなに主任ばっかりで、本当にいけない部下だ。


主任はソユンさんと相変わらず一緒にいる。最近は仲良く笑う姿もよく見るようになって、それが余計につらい。






定時になり、帰る準備を整える。
今日はグクとご飯に行く予定だ。


待ち合わせ場所に行くとキラキラした笑顔でこちらに駆け寄ってきた。


行こっかって笑うグクに私も笑みを返す。



連れて行かれたのは路地裏にある小洒落たイタリアンで、ご飯も美味しくて話が弾んだ。




「...あのさ、Aヌナ。」


帰り道、人気のいない道でグクが突然立ち止まった。
いきなり名前を呼ばれて心臓がとくんと跳ねる。



「俺と...付き合ってくれませんか。俺、全力でAヌナのこと幸せにするから。」


体の横で握りしめている手が少し震えていて、緊張しているのが伝わってくる。



(......グクと一緒に幸せになることが、一番いい選択なのかもしれない。)



グクの震えた手を両手で包むと、私はとびきりの笑顔を返した。



『お願い、します。』



胸がチクリと痛んだのは、きっときのせい。



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