これ、どういうことですか？

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仕事中に鳴る携帯。
それはみたこともないない、知らない番号だった。







『はいもしもし〜』



「カンA。」








聞き覚えのある声に、思わず電話を落としそうになった。








『キムソクジン、あんた、どうして私の番号…』



「調べれば分かるだろ」









わ〜、完全にストーカーだ。


そりゃ家も調べて職場も調べて来ちゃう奴が、
電話番号だけわからないなんてあるわけないよな。と謎に納得してしまった。








『切るよ〜私今仕事中〜』



「俺も仕事中だけど。」



『なら尚更切るよ〜』








黙るキムソクジンに、ちょっといじわるしすぎたかな、なんて。

今更だが”なんの用？”と聞いてみた。









「今日このあと時間あるか？」



『今日この後？なんで？』



「ばあちゃんが昨日じいちゃんにお前の話をしたからか、今度はじいちゃんがお前に会いたがってる。」









昨日私が仕事中はやめてと釘を刺したからか
ちゃんと電話でアポを取ってくるこいつに少しだけ感心した。







『う〜ん、ごめんだけど今日は仕事先の後輩とご飯行く約束があるんだよね』



「仕事終わりに？」



『うん、昨日私が抜け出しちゃったからそのお詫びも兼ねて。』






”そうか。”とだけ言ったキムソクジンに
”うん”とだけ言うと、”場所は？”と淡々と言ったので
おもわず聞き返してしまった。






『ヤー、また来ようとしてる？』



「俺がいつ。」



『まあ、いいや。
今日はダメだから違う日にしてね〜、わかった？』









切るよ〜と強制的に電話を切った私。
きっと今頃、向こうはイラついてるんだろうな、と考えると笑ってしまった。









『…笑った？』







私が、あいつのことを考えて
笑った？







『フッ…、』









ヤーカンA。
昨日の今日でキムソクジンに情でも移ったか。





ちょっとでも、”かわいい”だなんて思ってしまうなんて。









ピーンポーンパーンポーン





『本日もご来店いただき、心より感謝申し上げます。お客様皆様にご案内申し上げます____』









仕事しよう、仕事。

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