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否定してくれる君が憎い ページ3

*Aちゃんはレッドさんのお姉ちゃんです。
*キャラ崩壊が酷いです。






劣等感...それは誰もが一度は感じるだろう。
自分は周りより劣っていると感じていると思い歪む。
...Aはそれなのだ。

Aには少しばかり歳の離れた弟がいる。
それは伝説のポケモントレーナーと呼ばれるレッドという名の少年だ。

レッドが産まれた時は良かったのだ。
一緒に風呂に入ったり、一緒にポケモンを捕まえたり。
レッドは寡黙で少しばかり冷たいと言う印象を持つ大人が多かったがAにとっては"可愛い弟"だったのだ。
自分だけがしっている弟の笑顔。
自分だけが知っている弟の優しさ。
それを見れるだけ"姉"と言う思いに浸れていた。









それから数年が経ち、レッドはもう立派なポケモントレーナーになった。
なにも言わずに敵を倒していく彼に大人達は"凄腕のトレーナー"と称賛した。
その称賛に彼は何も言わずにいつもさる。

...今のAにとって彼は"憎い弟"となってしまった。
Aがポケモン勝負をし負ければ"弟は..."と。
Aがポケモン勝負をし勝てば"レッドの姉なんだから"と。
その嫌味ったらしい大人達の言葉も今では常套句になってしまった。

もううんざりであった。
この価値観の押し付けに耐えられなかった。
自分と弟を比べられることにも。
その憂鬱な気分を胸に溜め込みながら家に帰れば弟がいる。

昔なら、"お帰り、お姉ちゃん"と言ってくれた。
今では、何も言わずに自分の顔を帽子で隠す様な仕草をみせる。

そんな弟に"嫌われている"と思うしかない。
日に日に、憎さに比例して胸の中に昔の弟になって欲しいと思っている。
この黒い欲と、叶うはずがないと思う自分の哀れさを
心で笑った、目頭は熱いのに。









そんな毎日が続くにつれ、母から思わぬ言葉を聞いた。
"レッドが旅に出ると"
それを聞いたAは自分を疑った。
弟に会えなくなるのに、心の黒い欲が晴れた。
次の日にはもう出ていってしまうらしい。

今日...何故か弟に会うことが寂しく感じた。
その寂しさを紛らわすために出かけた。
昔、弟と一緒に行ったニビシティの博物館。
昔、弟と一緒に行ったタマムシシティのゲームセンター。
懐かしいと思う反面、忘れてしまいたいと思ってしまう。









ふと、空を見上げると空が茜色になっていた。
もう帰らなきゃと思うはずなのに足は思うように動いてくれなかった。

*→←自信家な君に



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作者名:天望 | 作成日時:2021年5月31日 0時

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