検索窓
今日:2 hit、昨日:0 hit、合計:607 hit

EPISODE4 ページ6

気持ち悪くて動けず、暫くトイレに寄りかかっていたら玄関の扉が開く音がした。

少しバタついた足音がこっちに近づいてくる。


「───桐谷さん!?!?」

「あ………土方、さん…?」

「何かあったんですか?」

「………わた…、私…!」


安心して涙が溢れてくる。それを見兼ねた土方さんは、私を優しく抱きしめてくれた。


「もう大丈夫です。貴方はひとりじゃありません。俺は貴方の夫として、一生賭けても貴方を守りますから」

「ッ…、ありがとう、ございます……!」


煙草の匂いが鼻を掠める。
普段は苦手なその匂いも、今は暖かくて優しい匂いのように感じた。



──────────

 「すみません、荷解き手伝えなくて」

「いえ…、業者の方が手伝ってくれたので、大丈夫です!
それよりも………」

夫婦なのに敬語、しかもお互い苗字呼びってどうなんだろうか。

別にタメ口などを強要している訳じゃないけれど、なんだか話しづらいなぁと。


「敬語、やめませんか…?私たち、もう夫婦なんですし」

「…!ああ、そうだな──A」

「!」

「夫婦なら、名前で呼び合った方がいいだろ?」


土方さんはそう言っていたずらっ子のように笑った。

自分の顔がみるみるうちに赤くなっていく感覚がして、すかさず手のひらで顔を隠す。赤面を見られるのは、なんとなく恥ずかしかったから。



「か、揶揄わないでください……」

そう言うと、土方さんは再び笑みを溢して

「悪い、少し調子に乗りすぎた…」

と照れくさそうに頬を掻いた。初めは怖そうな人だと思ったけれど、この人は見た目に反して優しい人だってことが分かった。


「や、やっぱりお互い好きなように喋りましょうか。私は敬語以外慣れてませんし」

「そうか。俺はこっちの方が慣れてるから、このままでもいいか?」

「あ、はい。そっちの方が堅苦しくないので」


今日から、私達の同居生活が始まる────

続く お気に入り登録で更新チェックしよう!

最終更新日から一ヶ月以上経過しています
作品の状態報告にご協力下さい
更新停止している| 完結している



←EPISODE3



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.7/10 (3 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1人がお気に入り
設定タグ:銀魂 , 土方十四郎   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

朝霧。 - ちなみにプロローグに出てきたシオンの花の花言葉は、「君を忘れない」「遠くにある人を想う」「追憶」です! (2023年4月11日 21時) (レス) @page1 id: 1f3ad0d7b3 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:朝霧。 | 作成日時:2023年4月11日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。