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突然の。 ページ5

「今日は会えないって…」


「うん。言った。
寒いから入れて?」


「あっ、うん、ごめっ、」



夜の22時過ぎ。

突然現れた目の前の彼は



「これ、Aに食べさせたくなって。



満面の笑みで私の大好きなクッキーシューが入った箱を見せた。



「え?これ、今限定の!」


「ふふっ、そ。限定のお芋さん。
上がるよー、おじゃましまーす。」





何だか上機嫌で私の家に来た裕太。

彼は相変わらずマイペースで気分屋だけど

ここ最近は、意地悪な彼ではない。



それはお互いに長い年月を過ごしてきたせいか

感情の起伏が薄れてきたのか、いい意味で。



ある程度相手の気持ちもわかるように

なってきたのもあるのかもしれない。







「うわぁー美味しそう。
裕太も食べるでしょ?」


クッキーシューが入った箱を開けると

中には4つ入ってた。



「俺は食べないよ。
Aに買ってきたから。」


「え?でも4つも入ってる。
私1人じゃ食べれないよ?」


「じゃぁ、明日また食べたらいいじゃん。」


「裕太はいらないの?」


「うん。いらない。」



ニコニコの笑顔でいらないって。

変なの。

せっかく買ってきたのに。



「いただきます。」



こんな時間に食べるのはちょっと気が引けるけど、

なんだか嬉しそうな裕太の顔を見たら

どうでもよくなった。




「どう?美味しい?」


 
まんまるな目が私の顔を覗き込む。



 
「ーっ!美味しいっ!!
私、お芋大好きだから、ほんとにこの限定最高!」




親指を立てると、裕太は大きく口を開けて笑った。



「Aのリアクション最高。
そーゆーところ、好きだな。」


「…………。」



あれ?あれれ?

好きとか、サラッと言ってくれたね?



「ロケでこの店行くことになって、
ここのクッキーシューA好きだから
買ってきた。
なんか行きつけ紹介みたいになって。
なんか、恥ずかしくなった。
プライベート晒してるみたいでさ。」


「…よく買ってきてくれてるもんね。
よかったの?紹介して。ほら、もし、
ファンの子達が来たりして、買えなくな…」



あ、マズい。

こんな事言っちゃダメ。



“自分の欲望や感情といった邪魔な捨てる”



「なんでもない。」




裕太の仕事に関して何も言わないって決めたのだった。



私が口出しするような事じゃない。

ストイック。→←プロ彼女。



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たまみ(プロフ) - 続き待ってます! (2021年12月8日 18時) (レス) id: cb87a6a008 (このIDを非表示/違反報告)
Megu(プロフ) - うわぁー...つづきみたい... (2021年9月5日 23時) (レス) id: 53ea6f44f6 (このIDを非表示/違反報告)
りさ - 続き待ってます(*^-^*) (2021年5月29日 0時) (レス) id: 3c9e6364e5 (このIDを非表示/違反報告)
りさ - 続き待ってます(*^-^*) (2021年5月23日 0時) (レス) id: 3c9e6364e5 (このIDを非表示/違反報告)
りさ - 続き待ってます(*^-^*) (2021年5月15日 22時) (レス) id: 41dc70dfaa (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:たまこ | 作成日時:2021年2月10日 23時

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