キミとキス。 (ページ4)

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プロ彼女。ページ4

料理もそんなに得意なわけでもないし。

あ、でもいつも美味しいって食べてくれてる。

でも胃袋掴むようなご馳走は作れない。

裕太にとって、私と暮らすことは

プラスになるのだろうか、なんて考えちゃって。

そんなこと考えてたら結婚なんか無理なんじゃないかなとか。

毎度の事ながらネガティブ思考。

後輩の美香ちゃんは相変わらず藤ヶ谷さんのファンで。

美香ちゃんがアイドルの恋愛事情が表に出るってことは、その彼女はプロじゃない。

って言ってたのを思い出して。

内心ドキッとした。

プロ彼女の定義がわからず調べたの。

そこに書いてあったのは

彼の為になる行動のみをする。

自分の欲望や感情といった邪魔なものを捨てる。

その他にもたくさんあったけど、

その2つがグサグサッて胸に刺さった。

私はプロ彼女じゃない。と。

自分の欲望や感情はむき出しで。

この6年間、よく続けてこれたなと。

喜怒哀楽激し過ぎて

30歳になった今、ちょっとだけ

少し冷静になれてる気がする。

でもこのままだと裕太に捨てられちゃうかも。

捨てられた私は、途方に暮れて

このまま一生、一人かもしれない。

そんな時に同棲の話が出て

嬉しかった反面、こんな私と一緒に住んでもいいの？

なんて思っちゃって。

プロ彼女になる為に

自分に喝入れてる最中なのです。

そう、自分の欲望や感情を出さずに。

裕太が仕事しやすい環境を整える為に。

それをサポートする為に。

心を鬼にしないと

自分の気持ちが溢れちゃって

裕太を困らせてしまいそう。

「そう、私はプロ彼女。」