君と描く物語１２

＃５９３ ページ43

そして…月日は流れ、晴れて大学生になり早二年
私は地元を離れて夢のキャンパスライフを送っている

大好きな画材の山や充実した時間に囲まれて、勿論大変な事もあるけど それも楽しい

｢甘露寺さん、一目見た時から好きでした…！よかったら俺と…｢ごめんなさい！(A

大学に入ってからも、たまにこういう事は起きてしまって…
でもあの頃とは違う…今はしっかり、後ろめたさもあまり感じず真っ直ぐな気持ちで返事が出来ていて

A｢気持ちはとっても嬉しいですけど、私婚約者がいて…その人と以外は考えられないんです｣

私の左手の薬指にはきらりと光るダイアモンドがあしらわれた指輪…

婚約と言っても、宇髄先生が言ってた通り
本当に籍を入れるのは私が卒業をした後の話

学生のうちは勉学に励むようにとの宇髄先生との約束
浪人しようものなら破談だと脅された


｢そうそう！Aには歴とした心に決めた相手がいるんだから、潔く諦めた方がいいよ｣ﾆｺｯ

私が告白を断っていると、突然抱き着くように誰かの腕が私の首元に回って相手が目を丸くして驚く

｢え……！？と、時透名人！？｣

A｢無一郎くん！どうしたの、大学まで遊びに来てくれるなんて｣

それは無一郎くんで…

実は時透兄弟も高校を卒業後、順調に勝利を重ねていき…異例のスピードで名人となって
こちらでの対戦が増えた為、私の大学の付近に引っ越してきた

住まいも近所にあるから、実家を離れた者同士 頻繁に連絡を取り合っていて
未だに無一郎くんは宇髄先生にマウントを取って楽しんでるみたい…

｢もしかして、その婚約者って時透名人…っ｣

確かに、こんなに引っ付いてる所を見たら勘違いしちゃうよね…誤解とかないと……

無一郎｢ばれちゃしょうがないね｣ｷﾘｯ

A｢こら、違うでしょ…っ…変な噂になったら困るんだから…私の婚約者は地元の人なので…！｣

無一郎｢別に僕はいいのに｣

相変わらず、好意にしてくれてる様で
あの卒業式の事があって以来もこんな調子が続いてる

有一郎｢無一郎！勝手に会場を抜け出したと思えば、やっぱりこんな所に！｣

A｢有一郎くんも！｣

有一郎｢先輩すみません…また無一郎が勝手な真似して迷惑かけて｣

無一郎｢あーあ、もう見つかっちゃった…｣

親元を離れて暮らし始めて、有一郎くんはすっかりお母さん気質が強まった様で…
無一郎くんもそれに文句を言いながらも言う事を聞いて二人で仲良く暮らしているみたい

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