君と描く物語１２

＃５９２ ページ42

先生の大きな背中、その温もり…優しく囁かれる言葉

ずっと…先生と別れてからずっと諦め掛けてたものが全部、今私を優しく包んでくれている


先生もずっと戦ってくれていたんだ…
知らなかった…知る事が出来て本当に良かった

あの日、あのまま進路を見つめ直さずに下ばかりむいていたら掴めなかった幸せ


進路の事も、先生の事も…諦めずに頑張ってきて良かった


天元｢……さて、んじゃ挨拶行かねえとな｣ｽｯ

A｢え…挨拶？誰に？何の？｣

ゆっくりと緩められた腕
唐突に言われたその言葉に疑問だらけで先生の顔を見上げると、けろっとした顔の先生

天元｢ご家族に？交際の？｣

A｢えぇ！？い、いきなり過ぎますよ！

たかがお付き合いで！しかも初めて付き合う時はそんな事言わなかったじゃないですか！｣

天元｢何言ってんだ、初めの頃とは全然 違ぇだろ？

さっきも言っただろうが、もう二度と離さねえって

俺はもう、Aと一生一緒に居るつもりなんだけど？｣ﾆｯ

A｢そ…れって………え！？つまり…そういう事(・・・・・)ですか！？///｣

一生一緒にって…結婚………っ

天元｢…っふは！驚き過ぎだろ。他にどう言う意味があるんだよ…！

つっても、本当に籍入れたり何だとかって話進めんのは
Aが大学卒業してからの話だけどな…

それまでは、Aは本分の学業に専念する事！
留年なんかしたら許さねぇぞ？

とりあえず、親御さんにはそういうつもりですって挨拶しといた方がいいだろ
遅かれ早かれ報告する事になるだろうし、先延ばしにする理由もないしな

…あ、こういう場合はやっぱスーツ着てった方がいいのか？そしたら一回家帰るか｣

A｢ちょ…っ…待って…/// 先生、本気ですか！？｣

天元｢んな事冗談で言うわけないだろうが…

あ！手土産も買ってくから、どっか店寄んなきゃな｣

A｢う…嘘〜！///｣


私達は、ただの生徒と教師の…なんて事ない出会いから始まった
引っ込み思案で内気な…ごく普通の生徒と、ちょっと強引だけど生徒思いの教師


でも貴方と出逢えて、それまで灰色だった世界が
こんなにも色鮮やかに変わって

私の手からも、沢山の物を描いていける事を知った


私は先生と一緒なら、この先の真っ白なキャンバスも
きっと素敵に描いていけるから



先生と描く物語を……この人生が続く限り、どこまでも


天元｢A｣

A｢先生…！｣



夢見させてね





貴方に出逢えて…良かった

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