君と描く物語１２

＃５７８ ページ28

梅｢いよいよ明日かー…卒業式｣

アオイ｢まだ受験結果も発表されてないのに卒業なんて実感湧かないわね｣

カナヲ｢本当だね｣

梅｢私はとっくの昔に進路決まってるから、更に実感無いわよ｣

A｢もうAO生として授業始まってるんだっけ？｣

梅｢まだ簡易的な内容だけどね〜｣

一足先に進路の決定していた梅ちゃんは、これまた一足先に専門学校の授業が始まっていて

春休み中、皆の予定が合って集まれるのは今日が最初

駅前のカフェでスイーツを食べながら、受験が終わり気兼ねなくガールズトークに花が咲く


そして今話題が上がってる通り、明日は早いもので卒業式当日


そう…無一郎くんと会う日なんですが……


梅｢…んで？Aは何をそんなにしょげてる訳？｣

A｢え…っ｣ｷﾞｸｯ

アオイ｢もしかしてバレてないと思ってた？｣

カナヲ｢分かるよ。ずっと近くに居たんだもん｣

A｢…あはは…本当に、皆には隠し事出来ないね｣

梅｢水臭過ぎなのよ！何でもかんでも話せとは言わないけど、ただ黙って何も出来ないのは嫌よ｣

A｢…実はね、無一郎くんの事で悩んでるんだ｣

アオイ｢時透くん？｣

梅｢あいつ、何かAを困らせる様な事言ってきたの？｣

A｢そうじゃないの…！そうじゃなくて…私がね

無一郎くんとの今の関係に、ちゃんとけじめを付けたいって思って｣

カナヲ｢…それって｣

ずっと言えなかった…私の本心…まだ先生を忘れられない事

先生への気持ちを断ち切る為に無一郎くんを利用してる訳では無かったけど、何となく後ろめたくて

でも…心配掛けるくらいなら、ちゃんと言わなくちゃ

A｢無一郎くんに仮でもいいから付き合って欲しいって言われたって言ったでしょ…？

あの時…傍に居る肩書きが欲しいんだって、無一郎くんは言っていたけど
きっと、進路の事にも自分の気持ちについてもいっぱいいっぱいになっちゃってた私を支えてくれ様とする優しさだったんだと思う

私はそれに……長い事甘えてしまっていた…｣

私が話す言葉に、皆は言葉には出さないけど…驚いたり切ない顔をしたり…いろんな反応を見せた

でも絶対に、怪訝したり否定的な表情は見せなかった

…きっとここには、私を拒絶する人なんて一人も居なくて

本当はずっと、その事も分かってた
だからもっと早く三人に話すべきだったって…

A｢言うのが遅くなって、本当にごめんなさい｣

梅｢……で？結局Aの出した結論は？｣

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