君と描く物語１２

＃５７３ ページ23

試験会場となる学校に向かうと、何故かそこには宇髄先生 小芭内先生 煉獄先生の姿があった

A｢どうしたんですか！？｣

駆け寄ると三人共 鼻先を赤くして、笑顔で迎えてくれる

天元｢お前ら受験生にエールを送りに来たんだよ｣

A｢エール…？｣

杏寿郎｢今までやって来た成果を出す時だ！Aなら、きっと全力を出し切れるはずだ！｣

小芭内｢傍には居られないが、ここから応援しているからな｣

A｢…はい…っ｣

煉獄先生と小芭内先生から、それそれエールを受け取る

そして…

天元｢…前にも言ったけど、お前なら大丈夫だ

今まで十分頑張ってきたんだ、その努力を信じて必ず笑顔で戻って来い…待ってるから｣ｽｯ

A｢…っ｣ｼﾞﾜｯ

ぽんっと、宇髄先生の手が私の頭を撫でる

大好きな温もりを感じると、さっきまで私を取り巻いていた不安なんて気付いたら何処かへ消え去っていた


きっと大丈夫

三人の笑顔が、宇髄先生の手の温もりが…私の心にしっかりと届いた

A｢頑張ってきます！｣

私は大手を振って先生達と別れて会場内へと足を進めた


あんなにも心強い存在が居てくれるのだから…怖い物など無いと胸を張って


ﾋﾟﾋﾟﾋﾟ！

｢そこまで！皆さん、筆記用具を置いてください。只今より係の者が案内を致しますので、その案内に従い…｣

とりあえず終わった…

皆からの沢山の応援を胸に、無事に二日間の試験を終えて家に帰る

A｢…｣ｽｯ

帰路の途中、どうしても今すぐに全力を出せた事を伝えたい相手がいた

連絡したい人は山程居るけど…やっぱり一番は


勇気を出してコールした相手は

-｢…もしもし｣

A｢もしもし、Aです。今大丈夫ですか？宇髄先生」

-天元｢あぁ｣

A｢無事に試験終わりました…落ち着いて、全力を出せたと思います

これでどんな結果であろうと、悔いはないです

先生がいつも見守ってくれて、沢山背中を押してくれたお陰で…私ここまで信じて頑張ってこれました

まだ最初の試験が終わっただけで、受験全部が終わったわけじゃないですけど…
それでも、今一番にどうしても先生に伝えたくて

ありがとうございました…！本当に、先生が居てくれてよかったです｣

先生の存在が、どれだけ私の救いになっていたかわからないくらい大きい存在だったから…

-天元｢A｣

A｢はい｣

-天元｢俺の方こそありがとう…それと、色々ごめんな…ずっと言えていなかったから｣

A｢…先生｣

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