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善逸「ねぇ、Aちゃん…宇髄先生と何かあった?」
A「え…っ…何で…」
練習が終わり、手分けして用具の片付けをしていた時
一緒に倉庫に来ていた善逸くんから突然そう言われ振り向くと
善逸くんは少し躊躇った顔をしていた
善逸「音がさ…最近違うから、何となく…」
A「あ…」
そっか、善逸くんには聞こえちゃうんだよね…
善逸「前はAちゃん、宇髄先生と一緒に居ると
安心した様な…心地良さそうな音をしてたけど、最近は切ない音が聞こえてくるから ちょっと気になっちゃって」
音で分かる…か……
いいな…私もそう言う力があれば、宇髄先生の気持ちの変化にも気付いて
嫌われる前にちゃんと対処出来てたのかな…
A「…」
善逸「ごめんね…言いたくない事だったら無理にとは…」
A「…ねぇ、善逸くん…
善逸「え……うーん、そうだな……」
善逸くんは私の急な質問に、最初こそ驚いたものの
直ぐに表情を戻し ゆっくりと話してくれた
善逸「俺のこの第六感?みたいなものは…今でこそこうやって公言してるけど、昔は隠してた時期もあったんだよね…
昔はって言うか、正直言うと中学卒業くらいまでずっと黙ってた
普通の人には聞こえない物が聞こえるなんて言うと、結構気味悪がられて避けられたりしてさ…」
A「そんな…っ」
善逸「はは…まぁ子供って良くも悪くも素直じゃん?
異質を好まないのは人間の本能みたいな所もあるから、今思えば 当たり前だとも思うんだけど…
当時はそれがかなり堪えて、余計な事が聞こえても黙ってたんだ」
A「…でも、じゃあどうして今は…」
善逸「…ある時、いつもとっても元気で明るい人が空元気なのを音で気付いて…つい放っておけなくて声を掛けたんだ
どうして空元気な事に気付いたのかって聞かれて、怖かったけど正直に話してみたら…
その人が言ってくれたんだ…
そんな素敵な力 隠す事なんて無い…それは善逸さんの魅力の一つで、気味悪がられるなんておかしい…って
それが禰豆子ちゃんだったりするんだよね…///」
A「…!」
善逸「それを聞いた時にさ…あ、俺この力を誇っていいんだ…負い目に感じなくていいんだなって…素直に思えたんだよね
十年以上、劣等感を抱いてた物だったのに…」
A「…」
善逸くんのその話を聞いた時、私は…
無意識に、あの春の…宇髄先生の言葉を思い出していた……
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momoko19960430(プロフ) - レモネードさん» 電話はお察しの通り無一郎くんでしたね!二年連続で、宇髄先生と過ごしていた学園祭も、今年は初めて先生以外と過ごす学園祭になるのでしょうか…次章が、最後の学園祭の後編となります! (2021年9月7日 23時) (レス) id: 97219a3715 (このIDを非表示/違反報告)
レモネード - 童磨もまだ諦めていなかったんだね。しかし、童磨もめげないねぇ……。電話の相手は無一郎くんかな?夢主ちゃんは劇を見に行くのかなぁ。最後の文化祭、何かが起こるのか……。 (2021年9月7日 15時) (レス) id: 029fc8293f (このIDを非表示/違反報告)
momoko19960430(プロフ) - レモネードさん» 学園祭初日が始まりました!無一郎くんとの合流の前に、まさかの童磨登場…何やら口説かれている(?)ようですが…大丈夫でしょうか(^^; 今回の学園祭も何やらアクションが起きるのでしょうか… (2021年9月6日 23時) (レス) id: 97219a3715 (このIDを非表示/違反報告)
レモネード - 夏祭りでのキスをしている所をまさか見られていたとは……。さすがに宇髄先生も気が気じゃないよね……。残りわずかな高校生活、文化祭ではコスプレ喫茶をするみたいだけど、まさか今年は無一郎くんと回るとはねぇ…。 (2021年9月6日 1時) (レス) id: 029fc8293f (このIDを非表示/違反報告)
momoko19960430(プロフ) - レモネードさん» 無一郎くんの止まらないアプローチ。けど、心の中は複雑な様ですね…。そして、無一郎くんの思惑通りキスを目撃してしまった宇髄先生…心の中は穏やかじゃないでしょうが…折角 また夢主を追いかけようとしたのに、途端にこれでは…この先どうなるんでしょうか (2021年9月4日 23時) (レス) id: 97219a3715 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:P | 作成日時:2021年8月19日 9時