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管理棟二階…美術室、ここだ
翌日の放課後、私は言われた場所に足を運んだ
とりあえず来たはいいものの、勝手に室内に入っていいのか分からずにその場に立ち尽くす
この管理棟は私達が主に使う本棟の校舎と渡り廊下で繋がる特別活動室などが集まる棟で
部活動で関連ある生徒以外は立ち寄らないから、凄く静かに感じる
でも微かに届く遠くのグラウンドの方から聞こえる運動部の掛け声や、上の階から聞こえる吹奏楽部が奏でる綺麗な音色が耳に心地いい
宇髄先生が言ってたいいものってなんだろ
ここに呼び出したって事は、美術室に関係ある物なんだろうけど…
A「そう言えば、もしかしてここってお姉ちゃんが在学してた時に部活動で使った部屋…?」
私の姉の蜜璃は現在大学二年生
ここを卒業した後、地元の美大に通って今も絵に携わり生活している
高校時代は美術部に所属していて、数々の賞を取ったりコンクールで入賞した経験がある
幼い頃から感受性が豊かで…誰に対しても平等に優しく、屈託なく接する人だった
そんな姉が自慢でもあったし、私だけじゃなくて他の家族も周りに居る皆姉が大好きで
そして何より想像力や表現力が豊かで、普段は不器用な所もあるけど
独特なインスピレーションで最も簡単に周りを魅了する作品をその手から生み出す
格好良くて、憧れの姉…
A「ここで、お姉ちゃんは作品を生み出していたのかな…」
美術室のドアにトンっと手を当て、姉の過ごしていたであろう時間を想像した
「その通り。二年前まで、この部屋で作品作りしてたぜ」
A「…!う…宇髄先生!」
びっくりした…誰も居ないと思って気を抜いていたら、いつの間にか直ぐ横に宇髄先生の姿があった
天元「ちゃんと来てくれたんだな。突っ立ってないで入れよ。鍵開いてんぞ」ガラァ…
驚いて固まる私に優しく微笑んで扉に手をかけ私を室内に案内してくれた
A「…失礼します」
あ…この匂い…
一歩室内に入ると、鼻を掠めた乾いた絵の具の匂い
見渡すと教室を二部屋ほど付け合わせたくらいの広さがあり
窓際には少し錆びれた流し台や、いろんな作業ができるようにびっしりと備えられた棚の中の彫刻機材や画板の山
何種類もの画用紙に濃さの違う鉛筆…
凄い…中学の美術室にもいろいろあったけど数の幅が違う
見れば見るほどわくわくしてしまう
天元「…っふ、姉さんと同じ顔するんだな」
A「……え?」
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- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
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あずきいろ
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作者名:P | 作成日時:2021年1月6日 2時