優秀な５年生は少し変わってる【忍たま】

18話【勉強になって良いのか】 ページ27

加藤団蔵side







穴が開くんじゃないかってほど、浦風先輩を見つめているA先輩。


連日の徹夜でただでさえ、生気を失っている顔が更に真顔になっていく。




仙蔵「予算に余裕があるうちにたっぷり頂こうか」

もんじろ君と言う多分潮江先輩がモデルであろうとても不気味なフィギュアを手の上でポンポンとする立花先輩。


ちらりと横を見てみれば、眠そうな左吉に天井のシミの数を数えだしたA先輩。

この先輩、もう末期だ。




三木ヱ門「会計委員会は公正に予算を配分します」

文次郎「生首フィギュアのもんじろ君をポンポンすんじゃねぇ」

『そこ突っ込んだら、負けじゃないですか？』




何とか意識の戻って来た先輩は、潮江先輩の背中に言葉を投げかける。

いつもは委員長と立場が逆のA先輩は、元気が無い所為かまともな態度を取っている。









仙蔵「さぁ、文次郎」

文次郎「委員長と呼べ」

仙蔵「さっさと我ら作法委員会の予算を通せ」

文次郎「良いか、仙蔵」

仙蔵「委員長と呼べ」



え、何。

そのやり取り、続けるんですか？


『団蔵、思ってる事はよく分かるけど、口に出すなよ。何があるか分からんからな』

団蔵「あ、はい」


結構真剣な顔で言われた為、口をつぐむ。



文次郎「作法委員会の予算案と書いて、…却下と読む」

仙蔵「ぐっ、何故却下なんだ」

文次郎「作法委員会が何故こんなに大量の米の粉が必要なんだ⁉」



米の粉？




どうしてまた、米の粉なんて。




『菓子でも作る気だ。…あの先輩の事だから、下の方に小さく砂糖とでも書いてるんだろう』


左吉「なるほど。それで米の粉を…。勉強になります」

『ああ、私も向こうだったらそうやって菓子の予算をもぎ取るからな』


それは、勉強になって良いのか？




仙蔵「首実検の作法の演習に必要なんだ」

文次郎「どう使うんだよ？」

仙蔵「首化粧用だ」

文次郎「首化粧？」

仙蔵「ああ。例えば、この生首フィギュアもんじろ君を米の粉で化粧してみると」


作法委員会が集まって化粧をしだす。


5秒ほどすると、こちらを自信満々で振り向いて手に持つもんじろ君を僕らの前に差し出してみる。

仙蔵「こんな感じでどうだ？」

『おぉ。…気持ち悪いですね、こんな委員長』


文次郎「おい、どういう意味だ」

『どういうも何も、そのままの意味ですが』




文次郎「まぁ、…こ、米の粉は認めてやるか」




会計委員会全員が盛大にずっこけた瞬間だった。

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