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晴留「ちょっと有薫！」
駿佑「待てって」
晴留「！？」
駿佑「質問してるやん。何してんの」
晴留「･･････短歌。作ってんの」
駿佑「短歌って、5、7、5、7、7の？」
晴留「そうだけど」
駿佑「ふーん、良いのできた？」
晴留「関係ないでしょ」
駿佑「じゃあ、俺が見本見せたるわ」
晴留「は？あんたに作れるわけないじゃん」
駿佑「まぁ待てって。そうやな。じゃあ、セミで一句」
晴留「興味ないし」
そう行って有薫を探しに行こうとすると、
駿佑「･･････『いつぞやの 捕えし蝉の鳴く音よ どこにいるかないづこはかりと』」
晴留「なんか、っぽいじゃん」
駿佑「やろ？ほら、俺のおじいちゃん、俳句好きだったからよく付き合わされててん」
晴留「(思い出して)あぁ〜。で、どういう意味？」
駿佑「聞きたい？」
晴留「は？もったいぶんなし」
駿佑「聞いたらたぶん、元に戻れなくなる」
晴留「･･････よくわかんない」
駿佑「昔は捕まえてたセミもさ、いつからかどこにいるか見つけらんなくなったやろ。それとおんなじように、一緒走り回ってセミ捕まえてたヤツの気持ちも、どこにあるのか見当もつかなくなっちゃったなぁって」
晴留「･･････」
セミの音が大きくなる。
林の中。虫取り網を持った男の子がセミを持ってい
男の子「おーい！セミ獲ったー！」
女の子「わぁー！しゅんくんすごーい！」
男の子「ミンミンと！セミがなく声！ミンミンミン」
女の子「うまーい！」
ハッとして晴留が駿佑を見ると、目が合う。
晴留「･･････！」
駿佑に駆け寄り、蛇口を押さえて噴射。
駿佑に水がかかる。
駿佑「うぉっ！なに！？」
晴留「バカじゃん･･････バカじゃんバカじゃん！バカじゃん！」
そう言って去っていく晴留。
駿佑「おい！あぁっカメラ！！」
その様子を物陰で聞いてる有薫。
有薫「･･････」
-どこか・side 一-
走ってくる晴留。息が上がっている。
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作者名：Cornet | 作成日時：2021年11月6日 1時
