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「……もしも、恋愛感情が含まれているって加藤さんに言われたら、私はきっと熱のせいで都合のいい夢を見ているんだと思うことにします」
「……都合のいい夢？」
「そうです、もう次の日には忘れちゃうような、夢」
そう言いながら涙が出てきた。
夢でなら許されるかな。
お相手のいる加藤さんをすきで、加藤さんも淡く優しい好意を持ってくれているのを図々しくも受け取ることを。
加藤さんは泣いてる私に、切なそうに手を伸ばす。
枕の方に落ちていく涙を指先で際限なくすくい上げてくれる。
「……もう寝な、考えるのやめて」
そう言いながら加藤さんが布団を直してくれた。
なんだかまた熱が上がった感じがして、ちょっと震える。
加藤さんはすぐに気づいて、もう一度布団を私に寄せた。
「寒い？」
「……ちょっとだけ。大丈夫です」
ベッドが軋む気配がして目を開けたら、加藤さんがお布団に入ってくるとこだった。
ええ？？意味わかんない！
心臓がバクバク波打って息ができない。
「よいしょ」
「……何してるんですか」
「あっためようかと思って」
加藤さんはごろんと寝転がると、私に向かい合って肩と背をぎゅうって抱きしめた。
フリーズして動けない。
「……考えるのやめて。夢だから。明日には忘れちゃうような夢。全部熱のせい。はい、おやすみ」
加藤さんはそう言って、私の髪を撫でた。
加藤さんの鎖骨のあたりで息をしたら、あったかかった。
ドキドキして苦しかったはずなのに、繰り返し髪を撫でられていたら心地よくて、いつの間にか眠りについていた。
都合のいい、夢。
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ぺんぎん(プロフ) - 素敵なお話ありがとうございます。お話の中の一人一人が丁寧に描かれていて、ほんとうにほんとうに素敵です。これからも応援しています。 (2020年3月4日 1時) (
レス) id: f15aa4c564 (このIDを非表示/違反報告)
すもも - 完結おめでとうございます！いつもこっそり拝見しておりました(笑)じぇにさんの作品はどれもひらがなと漢字の使い分けが絶妙で、ニュアンスがとっても丁寧に伝わってくるところが大好きです。新たなじぇにさんの作品に出会える事を願いつつしばらくこの作品に浸ります。 (2020年1月28日 23時) (レス) id: 7bc6073c03 (このIDを非表示/違反報告)
もか - いつも楽しく拝読しております！主人公ちゃんの不安や怖がりな部分と、それでも弱いだけだったり気持ちが揺らいでるわけではない芯の強い部分がようやく報われたような気がして、このまま幸せになってほしいと感じました、、これからも楽しみにしています！ (2019年12月28日 0時) (レス) id: 729ed0c340 (このIDを非表示/違反報告)
あやぽにょ - やっとですね（；＿；）よかった、、、！ (2019年12月18日 1時) (レス) id: f2bcd42dc1 (このIDを非表示/違反報告)
yume.(プロフ) - 初めまして、いつも楽しく読ませて頂いてます！増田くんのストーリーから読んでいて、この物語は主人公ちゃんの名前を若菜にして読んでるのですが、加藤さんの幼馴染の名前を自分にしたくて名前の設定を増やして貰えませんでしょうか、、、？ (2019年12月15日 19時) (レス) id: 28edb9fce5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：◯じぇにー◯
| 作成日時：2019年11月5日 21時
