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だから、おうちに戻ってから加藤さんが遠慮がちに「付き合わせてごめん」って言った時、心から言えたんだ。
「楽しかったです、とても」
「……そう言ってもらえて、ありがたいですけどね」
「ただ、なんか気付かぬうちに失礼なこととか要領を得ないこととか申し上げていたらすみませんでした、変な子とつきあってる、って加藤さんが思われたら申し訳ないなと思っています」
「出た！Aのそういうやつ」
「でも申し訳ない気持ち以上に、私ここにいていいんだなぁって、彼女ってことでいいんだなぁって、しあわせな気持ちがおおきいです。図々しくもすみません」
「うん、え？……今？」
「今ですね」
「いや付き合い始めてから季節変わっとるがな！今までなんだと思ってたの」
「……つきあってるってことでよかったんですよね……？」
「だから逆に俺がそれ聞きたいよね」
加藤さんが、んふふ、って笑って私を腕の中に入れてくれた。
半袖の汗ばんだ腕は、いつの間にか長袖のシャツを纏うようになった。
時間が経ち、季節が変わり、一緒にいられる瞬間が折り重なっていくことが、愛おしくうれしい。
加藤さんちでお風呂を借りて、一緒におふとんに入る。置かせてもらってるルームウェアを着た。
あったかい毛布が心地よくなってきたな。
明日が休みだからか、電気を消したあとで加藤さんは私を丁寧に抱き寄せたあと、結構強引に手を出してきた。
加藤さんのやわらかい手のひらが、ルームウェアの隙間からおなかに触れる。
手のひらはそのままやわやわと上がってきて、同時に加藤さんが唇を首筋に押し当てる。
いつも一旦ご辞退申し上げたくなってしまうのはもう決まりきった流れみたいなもので、全然嫌じゃないんだけど、つい言ってしまう。
「……や、」
「……嫌なの？」
掠れた声で囁くみたいに耳元で言うけど、嫌なわけがない。
加藤さんてばわかってるくせに！
返事ができなくなっちゃってる私に、加藤さんがふふって息だけで笑って、ゆっくりと唇を塞いだ。
加藤さんのことしか、考えられなくなるキス。
同じ歯磨き粉の味。
同じシャンプーのにおい。
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ぺんぎん(プロフ) - 素敵なお話ありがとうございます。お話の中の一人一人が丁寧に描かれていて、ほんとうにほんとうに素敵です。これからも応援しています。 (2020年3月4日 1時) (
レス) id: f15aa4c564 (このIDを非表示/違反報告)
すもも - 完結おめでとうございます！いつもこっそり拝見しておりました(笑)じぇにさんの作品はどれもひらがなと漢字の使い分けが絶妙で、ニュアンスがとっても丁寧に伝わってくるところが大好きです。新たなじぇにさんの作品に出会える事を願いつつしばらくこの作品に浸ります。 (2020年1月28日 23時) (レス) id: 7bc6073c03 (このIDを非表示/違反報告)
もか - いつも楽しく拝読しております！主人公ちゃんの不安や怖がりな部分と、それでも弱いだけだったり気持ちが揺らいでるわけではない芯の強い部分がようやく報われたような気がして、このまま幸せになってほしいと感じました、、これからも楽しみにしています！ (2019年12月28日 0時) (レス) id: 729ed0c340 (このIDを非表示/違反報告)
あやぽにょ - やっとですね（；＿；）よかった、、、！ (2019年12月18日 1時) (レス) id: f2bcd42dc1 (このIDを非表示/違反報告)
yume.(プロフ) - 初めまして、いつも楽しく読ませて頂いてます！増田くんのストーリーから読んでいて、この物語は主人公ちゃんの名前を若菜にして読んでるのですが、加藤さんの幼馴染の名前を自分にしたくて名前の設定を増やして貰えませんでしょうか、、、？ (2019年12月15日 19時) (レス) id: 28edb9fce5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：◯じぇにー◯
| 作成日時：2019年11月5日 21時
