REBORN † 愛してるから、明日へ向かって (ページ10)

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キラキラと目を輝かせているだろう跳ね馬に、僕は冷たく言い放った。

「……今のは言葉のアヤだ。違う。今も貴方に興味になんてもっていない」

「えー、でも今」

「貴方に興味はない。ないったら、ないんだよ」

駄駄っ子みたいに「ない」を連発すると、跳ね馬が折れてくれた。「そーかよ」と笑っているところを見たら、僕の本心に気付いて敢えて僕に合わせたんだ。

あるよ、興味。マフィアだったんだ。だから強いんだ。どうやってそこまで強くなったのか。僕くらいの歳には、どんなことをしていたのか……聞きたいことはたくさんあった。

でも、興味がないと言った手前、僕から聞くことは出来ない。多分、そのへんも気付いているだろうから、ちょっとずつ僕に聞かせていくつもりなんだろう。

彼は大人だから、子供の僕に合わせてくれる。

僕は子供だから、大人の貴方の魂胆がなんとなく分かるのだ。

……その時。ひやりと、背筋を嫌な汗が伝った。強烈な殺意の飛び火を感知する。

驚いて、跳ね馬を見ると、彼は口元をひきつらせながら僕に体温計を差し出していた。

「あははははっ…。きょ、恭弥、熱計っとけよ」

「……なんでさ」

「さっきまで熱あったんだよ！いーから計れ！」

僕に体温計を渡すと、彼は落ち着かない様子で僕を見ていた。口パクで「は、や、く」と急かす。

僕は体温計を脇に挟みながら、きょろりと辺りを見渡した。

……多分、誰かいる。微かな気配を感じた。…………カーテンの向こう側。

ピピピ……、体温計が鳴って脇から取ると、跳ね馬が数値を読み上げた。

とても大きな声で。

「えーっと！36.2な！平熱か？」

「うん」

「よし！平熱か！もう安心だなっ！！」

跳ね馬がそう言うと、微かな気配が消えた。

そのとき、カーテンの向こうにいた人の影を見た。立ち姿の影を見て、ハッとする。

母親だ。さっき、跳ね馬に殺意をぶつけたのは……母親だったのか…。

でも、なぜ？何故、母親がここに……。

来ていたのなら、何故嫌味を言わない？怪我した僕に冷淡な言葉を浴びせれば良いのに。

やっぱり、あの人はよく分からない。僕は溜め息をついた。