REBORN † 愛してるから、明日へ向かって (ページ8)

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ついにボス猿は眠りに落ちた。

さっきまでの凶悪な殺気はどこへやら。彼はそっと目を瞑り、深い寝息をたてる。

まるで、小さな子供みたいに。睡眠欲の前で生き物はなんと無力なことか。

眠ったボス猿に、チェルベッロはしばらく視線を落としていた。

それから、彼女は宣言する。

それは、長い戦いの終幕の意を持つもの。

「……お疲れ様でした。それでは、リング争奪戦を終了し、すべての結果を発表します」

やっと終わった。

胸に広がる安堵が、痛んだ体に染みる。

「XANXUS様の失格により、大空戦の勝者は沢田綱吉氏。よって、ボンゴレの次期後継者となるのは、沢田綱吉氏とその守護者六名です」

草食動物が安心故に気を失うのを横目に見る。

彼を心配して、駆け寄る“守護者”たちの姿を最後に、僕の意識は途絶えた。

†

「…………」

目が覚めると、目の前には白い天井が広がっていた。

ツンっと鼻につく消毒液の匂いに、ここが病院なのだと気付く。

頭を動かし、横を見れば、そこには跳ね馬がいた。

「おっ！やーっと、起きたか！」

「…………何の用」

ぶっきらぼうに言葉を発して、彼に背を向けた。背中から、苦笑いの吐息が聞こえてくる。

きっと、今の跳ね馬は苦笑をしているに違いない。

「まぁ、見舞い？つーか、生徒が怪我して入院したのに見舞いにこねー方がおかしいだろ」

まだ、そんなこと言ってたのか。僕は別に、跳ね馬の生徒になったつもりなんてないのに。

「……頑張ったな」

「…………」

「聞いたぜ、色々。お前、デスヒーターを服毒させられたくせに立ち上がってポール倒したんてな」

すっ……と、跳ね馬の手が伸びてきて、僕の後頭部を撫でた。

「つらかったろ？ちゃんと試合、見てやれなくて悪かった」

「……別に。貴方なんて居ても居なくても変わらないよ」

僕の返答に、また彼は苦笑しているだろう。

それでも、僕を撫で続ける手のひらが……とても安心する。