REBORN † 愛してるから、明日へ向かって (ページ14)

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『愛してる』と伝えて、キスを繰り返したのがもう昔のことのように感じる。

……もうそろそろ…来たかな。

僕は公園のベンチに座って、新しく作ってもらった匣兵器を眺める。

トンファーが仕舞ってあるものと、針ネズミの匣数個。ついさっき、匣の創世者と出会ってつくってもらったのだ。

三人の内の、生き残り一人……ケーニッヒ。ボンゴレと風紀財閥の力でミルフィーオーレから守るという盟約の元、匣製作と匣の秘密について教えてもらった。

久々に有意義な時間を過ごした……と、満足していると、電話が鳴った。登録していない番号だったが、構わず電話に出る。

すると、聞いたことのない声が耳に届いてきた。

『Hai！元気だったかい？僕のこと、覚えてる？』

携帯のボタンを三つ押して、改造して得た機能を働かす。内蔵版のボイスチェンジャーだ。

「覚えているよ」

『良かった。キミは忘れっぽいから、心配したんだ……。…ちゃんと覚えてる？』

「覚えているさ、全部」

僕が大丈夫だよというと、彼はじゃぁ、と話を切り換える。

『今日のお話をしよう。あのね、あの人が帰ってきたんだ。ほら、走り回らないと死んじゃうあの人』

走り回らないと……は、動き続けないと死ぬってこと。

パっと思い浮かんだのは、鮪という魚。

「帰ってきたんだ。ふーん…」

彼がやってきたと言うことは。

「あの人が帰ってきたってことは、悪天候かい？あの人はいつも運が悪い」

『そうなんだ。今は嵐。でもまだ雨は降っていないよ』

「もうすぐ降りそうかい？」

『うん。予定ではね』

「ふーん……」

もうすぐ……来る。僕は少し寂しくなった。

『そういえば、いつ帰ってくるの？』

「いつ帰ろうかな……。いつがいい？」

『なるべく早く会いたいな。あぁ、でももうすぐ雨と雷が来そうだ』

「分かった。その後には帰れるようにするよ」

『ホント？楽しみだよ』

そう言った電話の向こうから、電動扉の開く音がした。彼は慌てた様子で『じゃぁ、またね』と電話を切る。

僕も電話を切り、ベンチから立ち上がった。

……始まった。彼らとの密約の計画が。

沢田綱吉が過去からこちらに来た。次いで、獄寺隼人も。

次の予定は山本武とランボ。なんとしても、クローム･髑髏が現れる前には日本に帰らなくては。

さぁ、帰りのチケットを買わなくちゃ。彼は言った。電話の相手……入江正一は。早く帰って来いと。

計画だから仕方ない……と、僕は大人しく従うことにした。