『あんスタ』白雪姫『男主』

兎の度胸 ページ34

「Knightsの？」



月永「まぁ最近学校行ってないし！俺知らない奴いても仕方ないよな！

あ、なず元気か？」




月永レオside



突然話しかけてきたこいつは面白かった



地味な見た目、メガネで隠した瞳の中に綺麗な宝石を見つけた



よく見れば整った顔立ちを隠すように髪をもじゃもじゃしていて


少しばかり笑ってしまいそうだった



なずのはなしをだせば途端に曇った顔



これはわけありのようだな？




「にーちゃんは、元気ではあるけど、その、笑ってなくて
Valkyrieに戻ってます」



月永「･･･確か斎宮のところか、ふーん人形に戻ったのか？」



「･･･はい。それが僕は嫌で、そのこんどValkyrieと戦うんです」



ぶ！！


思わず吹き出してしまった



こんな一年のちんちくりんがあそこと？


負けるのは目に見えてる



斎宮のところだって皇帝に負けたと言えど一度は頂点に君臨したやつらだ


なずもいる。


勝てる訳ない



月永「まさかとは思うけどお前、Valkyrieとドリフェスで戦うつもりか？」



「え、あ、はい。にーちゃんをかけてやります！」



月永「お前想像以上に馬鹿だな
あのな、お前は知らないかもしれないけど斎宮にとってなずは何よりも掛け替えのない大切なものなんだよ。

そんなに簡単にかけていいもんじゃない。


ましてや一度失ったものだ、二度と手を離すわけがない。


お前はその大切なものをかけさせるのに、見合った覚悟があるのか？


ないなら辞めておけ」




真剣に告げれば彼は目を丸くした


中途半端なものなら辞めるべきだ



こいつはまだまだ拙いところはあるだろうが原石だ



そんなことで皇帝に目を付けられ摘まれてしまってはつまらない



「･･･にーちゃんが、斎宮宗先輩と影片先輩にとって大切なものっていうのはわかってます」



月永「へぇ？」


「三人を見てればお互いが何よりも大切なのくらい分かります。

ただあんなにお互いを思いあってるのに、すれ違って傷つけあって


誰一人笑ってない。そんなのが嫌なんだ」



随分とこいつは鋭いと思った

たしかにその通りだ


あの3人は俺が知る限り、不器用でだからこそ間違える




「で？お前は何をかけたんだ？Valkyrieが何の得もなく戦うようには見えないしな」



言ってみろといえば信じられない答えが返ってきた



「負けたら退学するって、人生をかけました」

心構え→←異端児現る

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す