『あんスタ』白雪姫『男主』

真白友也 ページ4

25歳の夏


私は、いやぼくはしんだ。


握手会の際にファンに刺されて。


こんなことならあんスタもっとやっとけば良かった



今は大好きな推しキャラのイベント中


その子を見て僕は変わりたいとも思った


その子がアイドルを頑張る姿を見て


才能に溢れた自分も真剣にやらなければと思った


まぁ、さされたからしぬんだけど



今考えたら最低な人生だった



社長に女子に間違われてスカウトされ


アイドルグループのセンターになり


女のふりして歩んだ10年間。

学校も行かず


利用できるものはすべて利用した



汚い話だけど人に言えないくらい何だってやった



トップに立つために



恨まれて当然の私の人生は儚く終わりを告げる



明日は僕の記事でみんな楽しいね


でも僕は知ってる


しんだらそこまで。

いつかは僕が汚い手を使って得たこのナンバーワンも


みんなから忘れ去られていく


僕は結局誰かのおんりーわんにはなれなかった。



ざまぁみろ



その言葉は犯人が僕に向けたのか、自分で自分に向けたのか



分からなかった






ぶつりと意識が切れて真っ暗に暗転



パチリと目をひらくと



そこは夕方だった。


ここは？



あたりを見渡せば教室で



あれ？ドラマの撮影でもしてた？と目を丸くする


というか、視界がとんでもなくじゃまだ。


紫「トモくん！トモくん！」



名前を呼ばれ振り返る


そこには紫之創がいた



「え･･･紫之創･･･？」


紫「はい、そうですけど･･･って寝ぼけてますか？」



「いや、うん？」


紫「演劇部で疲れてるんですか？無理はダメですよ！」



ニコッと笑われ頷いたがなんだとういうことだ？



「あの、ここどこ」


紫「え？夢ﾉ咲学院ですよ？やっぱり寝ぼけてますね」


ゆめのさき？え？あんスタ？



そこで僕があんスタの制服を着ていることに気がついた


ふと髪を触れば違和感



思い切り引っ張るとスポンっと抜けてハラリと地毛の白に近い金髪が落ちてきた



紫「うわぁあ！トモくん！カツラ！取れてます！顔が見られてしまいますよ！」



「え？」



紫「許嫁さんにバレたくないしめんどくさいこと嫌いだから！変装して学校通うって言ったのトモくんなんですから！かくさないと！」



「あ、ごめん？」



手にあるウィッグの色を見て、この色はまさかと思った



「ま、真白友也？」

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