アリスのクラスの転校生、"犯罪界のプリンス"の仲間でした。 (ページ39)

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「恐怖のハンニバル・Ｊ・サイクロプス大佐が、恐怖の地獄から戻ってきたぜ！
・・・って言っても、本当に地獄に行ってたわけじゃないからな。だとしたら死んでるし。
これはつまり、比喩ってやつだ！」

「・・・比喩？」

アリスは聞き返す。

「お前、底抜けに頭が悪いな。比喩ってのは、たとえってことだ」

「・・・だったら、最初からそう言ってほしいです」

アリスはちょっと落ち込んだ。

「彼には手伝ってもらっているのですよ。私たちの崇高な目的を実現するために！」

「崇高な目的？」

サイクロプス大佐の横にムソルグスキー総統が並び、それにまたアリスが聞き返した。

「はい！わたしたちが目指すのは、地球温暖化のない自然に優しい世界！
シロクマとその仲間たちが創り出す新世界！それが、氷による、氷のための氷の帝国！
第三氷河期帝国なのです！はい、みなさ〜ん！」

ムソルグスキー総統が指揮棒を取り出して合図すると、ラッコやアザラシたち直立不動の姿勢をとって歌い始める。

「悪の首領って、みんな歌を作りたがるのでしょうか？」

歌を聞き終わったアリスは首をひねる。

ちなみにラッコやアザラシたちの歌声はとてもかわいらしかった。

「いや、他のところは知らないけど、うち(グリム)は歌はないよ」

国際刑事警察機構(インターポール)の指名手配リストのダントツトップ、グリム兄弟の部下であるAは答える。

「怪盗ならともかく、犯罪者は目立つことは必要ないしね・・・」と呆れ顔である。

「「「倒せ！二酸化炭素！」」」

ムソルグスキー総統とラッコやアザラシたちが、右前足を上げて、高々と宣言する。

「大きなこと言っても、やっていることは銀行強盗じゃないですか」

「くっくっくっくっく、お金が欲しくて、私がこの壮大な計画を立てたとでも？
それはいささか、傷つきますねぇ？」

Ｐ・Ｐ・ジュニアがムソルグスキー総統に言う。

するとムソルグスキー総統は、Ｐ・Ｐ・ジュニアを見下ろし、喉の奥で笑う。

「銀行を襲っておいて、お金がいらないので？」

と、アリス。