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動けない。
両面宿儺が楽しそうに口角を上げ私の顎を掴まんとしたところで、私の腕が強く引かれた。
刹那、目の前にいた両面宿儺が吹っ飛び、反対側の転倒防止柵にぶつかった。
「だから、そんなとこに突っ立ってたら危ないって言ったでしょ」
「ご、五条先生……！」
「千尋！何やってんだこっち来い！」
五条先生が私を乱雑に後ろに引っ張って、よろけた体を伏黒恵が抱き留めた。
〈 まったくいつの時代でも厄介なものだな、呪術師は 〉
両面宿儺が体の向きを変え、こちらに駆けだした。
伏黒恵が私を背に隠し、そして五条先生がその前に立った。
両面宿儺が大きく振りかぶって、その腕でコンクリートごと地面を抉り飛ばした。
砂煙に巻かれた瓦礫が迫ってくる。
〈 だからどうという話でもないか 〉
だがそれが私たちにまで到達することはなく、前に立つ五条先生の目前でピタリ、と動きを止めた。
〈 ……？ 〉
(すごい……)
「はぁ……」
「７・８・９……そろそろかな」
両面宿儺が脈動し、呪印が薄れていく。
俯きかけて、そして気が付いたように前に向き直った。
「おっ、大丈夫だった？」
そう言う彼は、紛れもなく虎杖悠仁だった。
あの人、一般人だった……のに。
あれ程の呪いを体一つで抑え込んでるなんて……
私だったらぶっ倒れてるだろうな。いや、死んでるか。
「驚いた、本当に制御できてるよ」
五条先生がそう言って、止まっていた瓦礫が支えを失って地に落ちた。
「Aとは大違いだね」
「……。」
「A？」
「そこのいじけてる子」
「そいやチトセって呼ばれてた……って〜」
虎杖悠仁は私を見て、そして怪訝そうに自分の頭をガンガンと叩いた。
「……なに？」
何だコイツ。人の顔見て失礼じゃないか。
「あ、ごめん、ちょっとうるさくて……アイツの声がする」
「……宿儺の？」
「うん」
虎杖悠仁も、声が聞こえるのか。
あ、そっか。受肉してるのか。
肉体も精神も呪力も共有するどころか自分の身だもんな。
「それで済んでるのが奇跡だよ」
そう言って、五条先生が虎杖悠仁の額を小突いた。
途端に虎杖悠仁の体から力が抜けて崩れるのを、五条先生が支えた。
「重っ」
「？」
「何したんですか」
「気絶させたの。これで目覚めた時宿儺に体を奪われていなかったら、彼には器の可能性がある」
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早瀬モモコ(プロフ) - リリリンゴさん» リリリンゴさんコメントありがとうございます！とても励みになります！更新頑張りますのでこれからもよろしくお願いします！！ (2021年10月16日 21時) (
レス) id: 8442258d5b (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ - 初めまして、この小説は五条悟オチですか？できれば五条悟オチでお願い出来ますか？続き頑張って下さい。応援してます。 (2021年10月13日 23時) (レス) id: 6c0ddf792c (このIDを非表示/違反報告)
リリリンゴ - シリーズ最初から読みました！面白いです！更新頑張ってください！応援してます！ (2021年10月13日 2時) (レス) @page6 id: 5191a43a7e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：早瀬モモコ | 作成日時：2021年10月12日 1時
