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呪物の呪力が大きくて。
上から強い呪力が押し寄せるのに反応が遅れた。



気がついた時にはもうグッと肩を強く押されていて。









「逃げろ」









目の前の伏黒恵が砂煙に巻かれて。









これ、初任務の時と同じ_____________









「伏黒!」




伏黒恵の式神・玉犬に引っ張られた虎杖悠仁が声を上げる。




(この感じ……)





視界が晴れて、天井を突き破った正体が露わになる。





「……!」







〈 お おおおっ…… 〉






(ラグビー場にいた2級呪霊!)





放課後の人っ子ひとりいなかったラグビー場のトカゲのような容姿をした呪霊が、呪物の強い呪力に興奮状態のその目をギラつかせて、伏黒恵の身体を掴んでいた。

伏黒恵が印を結ぼうと手を動かした刹那、呪霊は伏黒恵を壁へ思い切り投げつけた。




「がっ……」




伏黒恵が息を詰まらせて、後ろで玉犬が影に溶けた。





「おい!」




動けない私を置いて、虎杖悠仁が叫ぶ。
次の瞬間には、伏黒恵と呪霊が校舎の壁を突き破って、目の前に夜空が見えた。




(また私は、何も……)







何もできない









一段下の階の渡り廊下の屋上へ身体を打ちつけた伏黒恵が、フラフラとその身を起こす。
もう一度印を結ぼうとしているのか、持ち上げた腕を胸の前で交差させるが、グラつく頭がそれを解さない。





(ダメだ、このままじゃまた)





硬直した私の横で、女子生徒をそっと寝かせた虎杖悠仁が飛び出した。




「あ、」




虎杖悠仁が呪霊の頭部を素手で殴りつける。
呪力なしの力でも、呪霊の動きを止めるほどの威力。




(あの呪霊、夕方見つけた時は2級だったけど、1級くらいにレベルが跳ね上がってる……)




「虎杖やめろ!」

「それじゃお前が死ぬだろーが!」




虎杖悠仁の身体が呪霊に引きずられて、宙を舞う。
空中で器用に体制を整え着地、呪霊の攻撃を見事にかわすその動きが、素人には見えない。




「呪いは呪いでしか祓えない!お前じゃ勝てないんだ!」

「っ、」




伏黒恵の言葉が木霊する。
呪いは、呪いでしか祓えない。
負の感情は、負の感情でしか拭い取れないというのか。





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設定タグ:呪術廻戦 , 五条悟 , 伏黒恵   
作品ジャンル:アニメ
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早瀬モモコ(プロフ) - リリリンゴさん» リリリンゴさんコメントありがとうございます!とても励みになります!更新頑張りますのでこれからもよろしくお願いします!! (2021年10月16日 21時) (レス) id: 8442258d5b (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ - 初めまして、この小説は五条悟オチですか?できれば五条悟オチでお願い出来ますか?続き頑張って下さい。応援してます。 (2021年10月13日 23時) (レス) id: 6c0ddf792c (このIDを非表示/違反報告)
リリリンゴ - シリーズ最初から読みました!面白いです!更新頑張ってください!応援してます! (2021年10月13日 2時) (レス) @page6 id: 5191a43a7e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:早瀬モモコ | 作成日時:2021年10月12日 1時

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