【呪術廻戦】君に棲む。＃１

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「そんな事言ってる場合か！それにな……

こっちはこっちで、面倒くせえ呪いがかかってんだわ」









悠仁、オマエは強いから人を助けろ


俺みたいになるなよ









「！！」




虎杖悠仁の身体から呪いが零れた。
強くて、真っ直ぐな願い(のろい)。









呪いが、呪いでしか祓えないなんて

そんなの違う!









「なにやってんの」

「あ？」






破壊された壁の縁に立ち、声を張る。
呪霊と交戦中の虎杖悠仁が私を見上げ、呪霊も気配を察知して目だけをこちらに向けた。

手に持った特級呪物を掲げ、呪霊に見せつけた。





「あなたが欲しいのはコレでしょ？」


〈 オオオオオオオオオオオオオ！！！！！ 〉







「あの馬鹿っ！」







やっと目が合った。
呪霊が大きな体を曲げてこちらに飛びかかる。







「……おいで」






目前に迫った呪霊の赤い目が、私を、呪物を掴む。

呪いが呪いでしか祓えないのなら。
その悲しみも過ちも、全て私が受け入れてやる！





「千尋！術式は使うな！！」









呪縛呪法









「『統(とう)』」









ぶつかる呪霊の触れた場所から彼の記憶が私の体に流れ込む。








なんで俺ばっかり!

俺がいなくたって変わらない


死にたい

死にたい

でも、本当は______









知ってるよ。
知ってる。





本当は。



本当は、生きたかったんだよね。









僕が君を守る

だから、生きろ









どれだけ、この言葉に救われただろう。

ボロボロの私に、死にかけの私に。
死のうとした私にくれた、悟の言葉。

蒼い瞳が私を見つめた。
呪いが棲み纏う穢れた私を、綺麗だと言ってくれた。





貴方の願いは、私の中で生きる。









私は強くなって、生きるから。









「悟……」









呪霊の目から闘志が消えかかった。
　



これで、任務達成できたかな。
これで、五条先生は私を認めてくれるかな。






そう思ったのに。







バチンッ






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