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最後の一切れを口に放り込んで、私たちは再び杉沢第三高校へやってきた。
時刻は15時半。
早めに授業が終わったのか、ちらほらと校内を歩く杉沢第三高校の生徒たち。
彼らに紛れてまずは校舎内に潜入した。
「あのテストどうだった？」
「全然！ひとつも解けなかった。あんなの無理ゲーだっつーの」
「また、一問ぐらいできただろ？」
「できてたら言わねーよ」
「マジ？お前やべぇじゃん！」
「マジマジ。俺前期の単位取れっかな〜」
マジやべぇな。
「……全然ないじゃん。」
「クソ！気配がデカすぎる」
伏黒恵の言うように、昨晩よりも濃い呪いの気配がこの高校全体を包んでいた。
そこまで気配に敏感ではない私でさえ、肌がピリピリとするような、妙な緊張感の中に殺気立った特級呪物の気配を感じ取っていた。
すぐ隣にあるようで、はるか遠くにあってもおかしくないような。
校舎内の呪霊もそれを感じているのか、落ち着きなく蠢いている。
それも相まって、余計に呪いの気配がごちゃついているのだ。
一般人がいる中での戦闘は避けたいので、間違っても視線を合わせないように、けれども校舎の隅々まで余すことなく確認する。が、特級呪物はどこにも見つからなかった。
校舎外に出てもそれは変わらなかった。
「これじゃ潜入した意味がまるでねー。特級呪物……厄介すぎだ」
伏黒恵も、呪物の気配を掴み損なっているようだった。
徐々に生徒の数も増え、制服だけでなく部活のユニフォームに着替えた生徒たちも見え始めたが、このラグビー場には人っ子一人いない。
それもそのはず。ここは妙に気配が濃い。
だけどそれも特級呪物のものではなく、ラグビー場を回遊する呪霊のものだった。
「なんだこのラグビー場……死体でも埋まってんのか？」
トカゲのような容姿をした呪霊は歯を剥き出しにし、ゴールポストの上で呪物の気配に興奮するように唸った。
「だとしてもこのレベルがウロつくなんて……恐らく2級の呪い。呪物の影響か？」
「……どうする？」
「いや、今はそっとしておけ。気が進まないが一度学校を閉鎖して呪いを祓った後、もう一度探すしかないか」
「でも、早くしないと……」
なんだかヤバい気がする。
ここにいるだけでも呪われそうなほどの悪寒。
笑いながら目の前を通り過ぎる生徒たちに嫌気が差すほど、私はすでに全身の血の気が引いていた。
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早瀬モモコ(プロフ) - リリリンゴさん» リリリンゴさんコメントありがとうございます！とても励みになります！更新頑張りますのでこれからもよろしくお願いします！！ (2021年10月16日 21時) (
レス) id: 8442258d5b (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ - 初めまして、この小説は五条悟オチですか？できれば五条悟オチでお願い出来ますか？続き頑張って下さい。応援してます。 (2021年10月13日 23時) (レス) id: 6c0ddf792c (このIDを非表示/違反報告)
リリリンゴ - シリーズ最初から読みました！面白いです！更新頑張ってください！応援してます！ (2021年10月13日 2時) (レス) @page6 id: 5191a43a7e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：早瀬モモコ | 作成日時：2021年10月12日 1時
