き み な の に〈T.Y〉５ .

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いよいよ、私。




オトナの階段を登ろうとしております。








…しておりましたが！









藤「うわっ、どうした？！」


「へ？」



藤ヶ谷さんにゆっくりと長いキスをされたあと、ゆっくりと綺麗な手が首に回ってきたときに……





藤「A！どうしたの？！これ！」

「え？えっ、な、なんですか？」




こんなときに止められて、恥ずかしくなる。




少しの光だったのに、慌てた藤ヶ谷さんは電気を点けた。





藤「薬！なんかない？！」

「え？いや、藤ヶ谷さん、なにが」

藤「首！うわっ。腕もじゃん！」

「腕？…ぎゃっ、なにこれ！」



腕を見たら、紅い湿疹が出てきていた。




藤「大丈夫か？！痒い？！」

「ううん！痒くなんてないです！」

藤「いや、でも」

「なんでだろ？…なんか、すみません」



こんなときに…。





藤「んー、いいんじゃない？」

「…いや」

藤「え？そんなにしたかった？」

「え！い、いえいえ！」

藤「ははっ、嘘だよ。大丈夫、今日じゃないってことだよ。ね？」

「…はいぃ」

藤「今日は二人で仲良く手を繋いで寝なさいってことだよ」

「ふふ、はーい♪」




藤ヶ谷さんの優しさが、どんどん溢れるたびに私の心は満たされていくんだろう。






淋しさや、辛いことや、苦しさから、どんどん削れていった私の心の中を優しさで埋めてくれる。







藤「A、だいすきだよ」

「…私もです」







でも、この気持ちは本当に恋愛のすきなのか、




まだ私には分かっていなかったのかもしれない。

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