き み な の に〈T.Y〉５ .

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「私は…」




悩んでいたらまた藤ヶ谷さんからの着信ー。




そして、藤ヶ谷さんの弱っているときの声で



藤「会いたい」



そう言われて、はっとした。





私はなにをしてるんだろう？


こんなにも私のことを想ってくれている人がすぐそばに居るのに。




藤ヶ谷さんに会いに行くと言ったら、大丈夫だと言った。



藤ヶ谷さんとの電話を終えて、見つけたタクシーに乗って、住所を伝えたら今度の運転手さんは分かっているみたいでスイスイと道を進んだ。



玉「…。」


玉くんの話は聞かないまま。




聞かなくていい、聞かない方がいいってことなんだよ。


勝手に自分でいいように解釈して、また無言で過ごした。




玉「…ポストは？」



マンションに着いたら、玉くんに聞かれたけど



「今日は大丈夫です！」

玉「そっか」

「はい」



エレベーターは1階に止まっていて、乗り込んだらすぐに3階になった。




「お疲れさまでした」

玉「Aちゃん！」



降りるのと同時に名前を呼ばれた。




「…はい」




玉「俺、葵と別れるから」



「…え？」



玉「ちゃんとしてから、もう一度Aちゃんに話すから！」




玉くんの話そうとした話を私は聞きたくなかったのに、結局…聞いてしまった。




エレベーターのドアは閉まって、玉くんだけを乗せて上へとは上がっていった。





「…聞いちゃ、いけないんだよぉ」





玉くん、なんで話したの。





もう遅いって言ったのは玉くんじゃん。





玉くんが葵さんと別れたって、私にはもう…






「もしもし？藤ヶ谷さん？」









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「やっぱり、会いに行ってもいいですか？」






裏切れない人がそばに居るんだよ。

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