６３（Tside） ページ16
「宮田、ガヤ起きれるかな？」
ワッターの美味しそうな料理がテーブルに並ぶ
宮田に支えられながらダイニングにやって来たガヤは
「うわっ！また凄い量作ったね…」
その品数と量に絶句してる
「余ったら全部冷凍するから。」
「冷凍庫、爆発するわ…」
「爆発しないように、太輔が食えばいいんだよ。」
「その前に俺の胃が爆発する。」
まだ顔色は悪いけど、大分口数も増えてきたガヤ
ワッターのご飯食べて、ちゃんと眠ればもう大丈夫かな
「結構食べれたね。」
「旨かったよ。ありがとう。」
「よし、じゃ、太輔はベッドへ直行！」
「えぇー。」
「えぇーじゃないっ！」
「はいはい。ガヤさん、ベッド行こうね。横尾さん怒ると怖いから…」
宮田に寝室へと引き摺り込まれるガヤ
しぶしぶベッドに横になったガヤだったけど、やっぱり何日も眠っていない体は正直
あっという間に眠ってしまった
「一体いつから寝てなかったんだろうね。」
宮田がガヤの髪を撫でながら言う
「少なくとも、３日は寝てないよね…。」
「いや…。実はさ、その前からあんまり寝てなかったみたいなんだよね…」
ワッターの言葉に驚いた
「俺達が集めた資料、太輔持ち帰ってたし…ミツが行く予定だった仕事、太輔が全部引き受けてたみたい…。」
「え…」
「今日、マネージャーから聞いて…。俺達の知らないところで太輔、無理してたんだと思う。」
どうして気付かなかったんだろう…
俺達、自分の事でいっぱいいっぱいだった…
「玉、宮田、太輔の事お願いしてもいいかな。」
後悔でしかなくて、ガヤの顔をじっと見つめてた俺達の前でワッターが立ち上がる
「どこ行くの？」
「ちょっと気になる事があって…。出掛けてくる。」
「俺も一緒に行くよ。」
「ううん、1人で大丈夫。それより太輔見張ってて。きっとまた無理すると思うんだ。俺はどうしても甘やかしちゃうから。」
ガヤの事が心配で本気で怒っちゃうけど、結局最後は許しちゃうワッター
ワッターが何をしようとしているのか、分からないけど…
「…分かった、気を付けてね。」
「うん。…ありがとな。」
何も聞かれたくないんだろうな
「ありがとう」は、追求しない俺達への感謝…
「何かあったら必ず連絡してよ。ワッターも無理しないで。」
「分かってる。」
ガヤを起こさないようにそっと出て行くワッターを見送った
.
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作者名：MISA
| 作成日時：2015年2月5日 11時
