君を守りたい Part2 (ページ12)

今日:19 hit、昨日:1 hit、合計:151,016 hit

５９（Yside）ページ12

「渉、俺、先に楽屋行ってる…」

撮影を終えて、皆で写真をチェックしていた時、隣にいた太輔がそう言った

もう撮影は終わり

最終チェックだけだったから、もう仕事は終わったも同然

「分かった。…大丈夫か？」

顔色の悪い太輔

最近あまり眠れていない事

撮影中も無理していた事…気付いてた

皆も太輔の様子には気付いていて、撮影中もちらちらと太輔の様子を伺っていた

ふらふらと楽屋に戻る太輔を、チェックを終えてすぐに4人で追いかける

太輔はまだスタジオに近い場所で、壁伝いにゆっくりと歩いていた

「太輔っ！」

後ろから呼びかけると、太輔が立ち止まる

けれど、その体は俺を振り向くことなく、ゆっくりと膝から崩れ落ちていった

「太輔っ！！！」

「ガヤさんっ！」

後ろから追いかけてきた3人も、慌てて太輔に駆け寄った

腕の中で浅い息を続ける太輔

顔色は真っ青だった

「宏光…」

弱々しく呟かれる名前

胸が張り裂けそうになる

「…とにかく楽屋運ぼう。」

楽屋に戻ると、太輔の様子にマネージャーは驚き、すぐに太輔を病院に運んで行った

俺達は予定されていた別の雑誌の撮影を終わらせてから、すぐに太輔のいる病院に向かった

俺達が病室に着いた時、太輔は点滴に繋がれたまま、ぼーっと天井を見つめていた

「太輔。」

「…皆」

「大丈夫か？」

「…うん。」

マネージャーの話では、過労と睡眠不足、そして軽い栄養失調にかかっていたらしい

「…飯、食ってなかったのか？」

「…」

太輔は何も言わず、唇を噛み締めたまま俯く

その手は、シーツをギュッと握っていた

太輔がここまで追い詰められていたこと、気付いてやれなかった

倒れたのは太輔のせいじゃない

こうなる事、予測できなかった訳じゃないのに、守れなかった俺のせいだ…

「太輔、今はゆっくり休もう。太輔に何かあったら、ミツが悲しむ。」

泣きそうになるのを堪えながら、一生懸命笑顔を作る

けれど、太輔は俯いたまま小さく呟いた

「時間がないんだ……宏光が……もう…死にそうなんだ…」

.