君を守りたい Part2 (ページ1)

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４８（Fside）ページ1

時間は待ってはくれない

あれからもう2週間

一刻一刻とタイムリミットは近付いているというのに、俺達の作業はなかなか思い通りには進まなかった

資料は探せば見つかる

けれど清の記憶と一致する資料は数えるほど

しかも、もしあったとしても、そこから広がる情報は皆無に等しかった

皆、仕事の合間にしている作業

段々疲れも出始め、焦りや不安も出てきていた

「清くん、新しい資料だよ。」

「はい。……えっと…これは何て…」

「あぁ、それは…」

清は、文句ひとつ言わず、大量の資料に目を通している

現代の言葉で書かれた資料は読めない部分も多く、そこはニカと渉が手伝っていた

3人の息もすっかり合って来ただけに、作業が進まないのが余計に俺達のいら立ちを煽っていた

「皆で会って食事しないか？俺、ごちそう作るよ。」

渉が俺達に声を掛けてきたのはそんな頃

きっと俺達のピリピリした空気を読み取ったんだろう

張り詰めた空気の中でしか、最近会っていなかったから、渉の料理を囲んだ食事は久々に笑顔の出るものになった

「そもそもさ、なんで清くんはニカに目を付けたの？」

酔った千賀が清に絡む

「おいおい、千賀、嫉妬してんの？」

「するでしょ！俺の大事な人の体に入ろうとしたんだよ！」

「おい、健永…」

ニカが俺を気にしながら千賀を止める

「いいよ、ニカ。俺も興味ある。」

俺が笑うと、ニカはホッとしたように千賀から手を離した

「…誰でも良かったんです。最初は…。ただ、光子を探すには若い男性の体の方が良いだろうと…。これまで何人かの人の体に入り込んだけれど、うまくいかなかった。」

何年もあそこで清はこの機会を待っていたんだ…

「あの日、偶然にも二階堂くんと同じような状態で運ばれてきた若い男性が3人いて…。だけど…」

「…だけど、何？」

「似てたんだ…」

「え？」

「北山くん…光子に…似てた。」

「…は？」

「二階堂くんに縋りついて泣いてる顔が…俺に縋りついて泣いてた光子に…何となく似てて…」

「…それでニカを選んだの？」

清がこくんと頷いた

「さすがミツだね。似てる相手が女とかって(笑)」

「じゃあ光子さんって、可愛かったでしょ？」

「…はい…///」

「照れてる。清くんも可愛い～♪」

「それは外見が宏光だからだろっ！」

皆が騒いでる中…

渉が一人考え込んでたこと、俺は全然気づいていなかった

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