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「ぃ…!…な、明太子!」

と現実世界に戻ってくると視界一面に棘の心配そうな顔

「棘…」

「こんぶ、高菜」

「ごめんごめん、ちょっと無厭足に挨拶を?」

と言えばデコピンされ怒られる、いや、私だって行こうと思って行ったわけじゃないもん…

久しぶりに顔をじっと見ながら喋ってくれてる棘を見つめ返してると顔を逸らしながらも立つのを手伝ってくれる

マジか私、めっちゃ廊下のど真ん中で倒れてたんだ、そりゃ心配するわな

「ありがとう、心配してくれて」

「…しゃけ」

といつもより素っ気なくそして目を見ずに返す棘、やっぱり変だって

そのまま去ろうとする棘を追おうとするとそれに気づき振り向く棘

「来るな」

と呪言を使われ対策してなかった私の体は止まる

「…ふ〜ん、あっそじゃあ、動くな」

と棘の術を奪いそのまま使い返す

止まったままの私と棘、互いに見つめ合って何も言わずにいると聞きなれた声、というよりかは笑い声

「え〜何してるの二人で〜お見合いごっこ?」

「こんなお見合いあってたまるか」
「しゃけ」

と目隠しをしたままの悟さんを軽く睨みながら言い返す

この人が来ると厄介なるからヤダ、何故か楽しそうなのも嫌な予感しかしない

「で、こちらが最近様子が変な狗巻棘さん?」

「ばっか!マジで馬鹿!」

この人に相談した私が馬鹿だったと思うけどこの人の性格が悪いことを今確信した

「で、こっちは棘の事はほったらかしなのに優太の部屋でゲームしてた双葉Aさん?」

「おっ!おかか!高菜!こんぶ!」

成程ね、成程、棘もこの人に相談という失態を

「いやぁ〜、思った通りこじれちゃったね」

と言う悟さんの発言に首を傾げる私たち、思った通りとは?

「いやぁ、だってさAも棘もぜ〜んぜん進展しないから手伝ってあげようと思って、Aには優太も新米だし気にかけてねってのと仲良くなるために部屋でゲームしたらって言ってぇ、棘には優太の忘れ物を届けてねぇって言ってさぁ、いやぁ僕ってイイ教師」

とあはは〜と笑いながら全部アホみたいにペラペラとバラしていくドアホ厄介教師

「高菜」

「うん、私たちこの人ボコボコにしても怒られない気がする、寧ろ感謝されるよね多方面から」

「しゃけ」

と言いながら口元のジッパーを開ける棘

全部この人のせいね、オーケーオーケー、関係ない優太まで使って楽しんでたと

「動くな」

「んで、便利な無下限貰っていくね」

「「早く謝れ」」

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作者名:天音 | 作成日時:2021年1月9日 19時

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