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「棘が変だぁ?」
「うん、なんか避けられてるって言うかなんて言うか」
「気のせいだろ」
「気のせいだな」
と真希とパンダに言われるも納得いかない
絶対になんか変、いつも通りではない
「でもまぁいいだろ、お前いつも足手まとい〜とか言ってるし」
「確かにそうだな」
「それはそれ、これはこれ!」
と言えばため息を吐かれる
「そうはなんねぇだろ、お前は冗談だったり本気じゃなかったりしてもその言葉はちゃんと棘には届いてんぞ」
「棘のこともっとちゃんと気にかけてやれよ、最近優太ばかりだったろ」
と二人に言われ少しイラつき教室を出た
優太ばっかりって何、そりゃ最近呪術師になったんだし色々と不安かと思って気にかけては居たけど普通じゃない?
もっと気に掛けろってまるで私が全然気にせずにズバズバと傷つけてるみたいな言い方腹立つ
「あ〜!もううるさい、うるさいうるさい!」
と叫ぶとぐらりと視界が歪んで崩れ落ちた
「は、何…マジで言ってる?こんくらいの負の感情もアウト?」
と自分の情けなさを笑い飛ばすも立ち上がれもしない
駄目だこれ、嫌なこと重なってどんどんイライラしてくる
なんて思っていると私は意識を手放した
「まーじか」
と次に目が覚めれば私の領域の中、いや、無厭足の生得領域かな、驚いた顔の無厭足がこっちを見てる
「こんにちは?」
「何故ここに居る」
「いや、私が聞きたいよ」
と言えば不愉快そうな顔を向けてくる
成程、私が少し負の感情を大きくすると体を乗っ取られるんじゃなくて私が無厭足の生得領域の中に連れて来られるのか、なんか一安心
「凄まじい量の負の感情だな、余としては喜ばしいことだが」
「そんなに溜めてるつもりはないんだけどなぁ」
「今は気分が良い、話してみろ」
「いや、呪霊に相談事するほど私イカレてないから」
と断れば刃を顔すれすれで投げられる
拒否をする人権どこへやら
「良い、大体は分かっておる、あの言霊の小僧だろう」
「…分かってるのに聞くの性格悪っ」
「…小娘いっぺん死んでみるか?」
「勘弁して」
なんだろう、呪霊だってわかってるんだけど、兄が呪霊だったからか怖くはないし、なんなら少し懐かしさを感じると言うか、姉感があると言うか
いやいや、呪霊に姉感はないか
「小娘、考えてる事全て聞こえとるからな」
「うっそ、こっわ」
「気分が変わった、早く戻って小僧とよろしくしておけ、死ぬ前にな」
「死ぬ予定はないので、気遣いどうも」
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作者名:天音 | 作成日時:2021年1月9日 19時