君を守りたい【狗巻棘】 (ページ42)

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「あ、棘～」

「おかか」

「え、まだ何も僕言ってないけど！？」

と何故か寮に居る悟に呼び止められるも何か頼まれる前に断る

悟の頼み事とかろくなことがない

「これ優太教室に忘れたみたいだから渡してくれる？」

「しゃけ」

「即答だね…棘も優太の事気に入ってるね」

「こんぶ」

優太は昔の自分と似てた、それに凄く良い奴、逆に気に入らない方が難しいだろう

「でもそう思ってる人は棘だけじゃないからねぇ、自分より仲良くなってるかもよ、取られちゃうね」

と言われるも何が言いたいのか分からず首を傾げる

別に優太と一番仲いいのが自分じゃないと嫌だとかないし、取られちゃうも何も別に優太に対して独占欲も何もない

そう言えば真希は優太が気になってるんだっけか

「じゃ、て言う訳でそれよろしくね、あ、今日渡したくなかったら別に違う日でもいいよ～入りにくいだろうし」

と何故か楽しそうな悟に手を振り優太の部屋に向かった

入りにくい？パンダと恋バナでもしてたのだろうか？それとも真希？まぁ取り敢えずこれを渡して部屋に戻ろう

なんて思いながら優太の部屋の前まで来て扉を叩こうとした

「わ～ほんとAさん強いね！」

「協力プレイだっつってんのにそれじゃつまらないって邪魔してくるアホ教師とやってたからね…」

と楽しそうな優太とAの声が聞こえる

皆で遊んでるのかと思ったけど真希達の声はどんなに耳を澄ましても聞こえない

なんで、だってAは俺の部屋にまだ一度も来たことない

真希は女子だし、パンダはマスコット的で癒しって言ってたから何も思わなかった、でも俺の部屋に来ない理由恋人でもない男子の部屋に遊びに行くとかないって言ってたじゃん

じゃあ優太は？優太は恋人じゃないのに…それとも…好き、とかなのかな

「やば、もう遅いし部屋戻るね、またやろ」

「うん、僕は基本暇だしいつでもいいよ」

と声が聞こえ咄嗟に隠れてしまう

なんで、また遊ぶ約束までして、いつも誘っても全然来ないのに

俺と優太の何が違うの、俺の何が悪いの

「狗巻？」

「…」

「ど、どうしたのそこで蹲って」

と心配そうな顔でこっちに来るA、いつもなら嬉しいのに今は会いたくない

「狗巻…？」

なんで俺は苗字呼びで優太はそのままなのとか

なんで優太には簡単に笑顔向けるのとか

全部全部

苦しい