君を守りたい【狗巻棘】 (ページ23)

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「いや、来るの早すぎでしょ」

「ツナツナ～」

と携帯を弄っていると声を掛けられその方を見るとAの姿

待ち合わせ時間20分前、楽しみ過ぎて俺は30分前には来ていたけどAも早く来てくれるとは思わなかった

「明太子、高菜？」

「ちっがう！お母さんに早めに出なさいって言われて来ただけ！楽しみとかじゃない、てかそっちも楽しみにするな」

ときつめに言われるも本当に嫌なら家を出てもここに来ないとかいくらでも方法があるのにそうしてない当たり少しは来たいと思ってくれたのかなと思い口元が緩む

「いくら？」

「いや、私あの時怪我してなかったし」

とあの時の仕事は俺もいたから怪我してたの知ってるのに嘘を吐くA

昔からそうだ、目の前で転んで怪我をしても、泣きながら怪我してないから大丈夫痛くないと言い続ける

根っからの強がりで負けず嫌い

「棘は？」

「こんぶ？」

「喉、大丈夫だったの？」

「しゃけ、明太子！」

Aのおかげで大丈夫と伝えるも、あっその一言で流される

「Aに少しは意識してほしい？」

「しゃけ」

「ハグでもしたらどうだ？」

「お、おかか！」

「う～ん、あ、可愛いよとか褒めてあげたらどうかな！」

と来る前に優太達とした会話を思い出す

俺の好意は昔からAに向いたまま、でもAの好意はどうやらあの男に向いてしまったようで

意識してほしい

「す、すじこ」

「何？」

「ツナマ…か…」

「ツナマカ？え、噛んだ？うっそ、初めて見た」

と馬鹿にするように笑うAに少しムカッと来て手を掴んで引き寄せた

「か、可愛い」

とそう言えば次第に顔を真っ赤にさせていくA

予想外の反応に言った本人である俺の顔も熱を帯びていく

「な、なっ、なに言ってるの！てか喋るな！」

「お゛ががッ」

と拳骨を食らう、痛い

好きな子に可愛いくらい言うのは許して欲しい、何を言っても呪いが込められるこの最悪な呪いが俺は何よりも嫌いだ

「…でも、ありがと」

「しゃけしゃけ」

「…いいよ」

「こんぶ？」

「棘もかっこいいよって言ったの！一回で聞き取れアホ！」

と早口で言われそっぽを向かれるが耳まで赤くなってるのが見える

そんなAが可愛くて思わず笑ってしまう

「何がおかしいの」

「明太子～」

「きも…」

「おかか！明太子！」

「きっも～！」

「おかか！！」