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「……ど、、う、して…。」
自分の声帯から出た自分の声とは思えないようなカスカスの声。
中学生の頃の記憶が思い出される。
そうだよ、私裕太と仲良くしちゃいけない。
仲良くしたら、危ないんだった。
おんなじクラスにいて隣の席なんて、私の命日今日でしかない。
でも、裕太は自席に気付いて、私の方に詰め寄ってくるわけで。
ついに自分の席に着席した。
それから、周りの女の子たちの反応が露骨になる。
“えっ、カッコよくない?“
“私一目惚れかも〜!“
ざわついてきた。
みんな興味津々でこっちの方向を向いている。
やだっ、怖い…。
みんな、裕太のこと好きになる。
私は何もしてないのに、陰で言われるんだよ。
ただの幼馴染ってだけで。
好意なんて1ミリもない。
それから、どんどん残酷なことを直接言われて苦しくなって、精神的にしんどくなる。
…だから、人間関係をリセットしたくて引っ込み思案な私が0から友達作ろうと思ったのに。
……あんな思いもう2度としたくなかったのに。
せっかく新しい友達もできたのに、またぼっちになっちゃうのか。
「…はぁっ、疲れたぁ。」
そう言って、鞄を下ろし、身支度を済ませた裕太は隣の席の私の顔を覗き込んでくる。
しかもあざとく。
やめて目立つじゃん!!!!!!!!!!!!
私高校生活楽しみたいんだよ!!!!
「…あの、人違いだったら申し訳ないんだけど………Aだよね??」
はい、もう私イメチェンとかしちゃったからワンチャン身バレしないかもとか思ってたけど、そんなことありませんでした。
軽く無視した。
どうしてだろ、自分なりに話しかけてくんなオーラ出してるのにな、なんで分からないの。
それでも1人話し続ける裕太。
「だって、Aの匂いするし、Aのオーラ纏ってるし、なにより…。」
まぁ、私にしか聞こえない小声で話してはいるんだけど、それはそれで目立つじゃん???
そして、私に向かってトドメの一言。
「俺の中のAセンサー反応しちゃってるし、このクラス分けの紙にも花瀬Aって書いてあるから。
俺、この学校の中での知り合いは、誕生日1日違いで、今ここにいるイメチェンして垢抜けて可愛さ増した幼馴染の花瀬Aしかいないんだけど。」
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作者名:百花 | 作成日時:2021年2月2日 16時