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『Aちゃんは俺のお嫁さんになるから』
そう言われたあの日以来、ずっと考えていた。
どうすれば自分がいなくなった後、潤がずっと笑顔でいられるか。
考えても考えても答えが見つからなくて、クリスマスの時、雅紀に聞いてみたけど
すぐに潤が帰ってきたから、ちゃんと答えを聞くことはできなかった。
今日はバレンタイン。
ミサちゃんに、一緒にチョコレートを作ろうって誘われた。
「バレンタインは、女の子が大好きな男の子にチョコを渡して、大好きだよって伝える日なのよ」
って教えてもらった。
雅紀はいつも幸せそうに笑ってる。
潤にも私がいなくなった後、雅紀みたいにいつも笑って過ごしてもらうには、どうしたらいいんだろう。
「雅紀って、いつも幸せそうに笑ってるよね」
チョコレートを溶かしながら、ミサちゃんにそう言うと
「潤君だって幸せそうだよ。Aちゃんが来てから二人って一緒に暮らしてるけど、やっぱり彼女って違うんだね。Aちゃんが彼女になってからは、潤君、ホントに嬉しそうに幸せそうに笑うようになったよね」
その言葉を聞いてハッとする。
そうだよ。
レイと一緒にいるときも潤はいつも笑ってたし、とっても優しい目をしてた。
・・そうか。
彼女ができればいいんだ。
私はもうすぐいなくなって、そしたら潤の彼女もいなくなっちゃう。
その前に。
潤を幸せにしてくれて、潤を笑顔にしてくれる、そんな彼女を探せばいいんだ。
でも、私の知ってる女の人って、ミサちゃんと和君のママだけだし・・。
「おかえりなさい、潤。あのね、・・・」
潤に、新しい彼女を作って、って言おうかと思った。
でも、
言えなかった。
潤がこれからも笑顔でいるためには、新しい彼女は必要なのに
新しい彼女ができたら、私はもう、潤の彼女じゃなくなっちゃうんだ。
そのことに、「ただいま」って笑ってくれた潤を見て、気づいた。
「どうした？なんかあった？」
言葉を途中で止めてしまった私に、潤が心配そうに聞いてくれる。
「あの、あのね、チョコレート、作ったの」
「え？Aの手作り？」
「うん。大好きだよ、潤。大好き」
チョコレートを渡しながら、潤に大好きって伝える。
「めちゃくちゃ嬉しいよ。A、ありがとう。俺も、大好きだよ」
潤は、優しくキスをしてくれた。
あと、もう少しだけ。
潤の彼女でいてもいいかな。
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ちな(プロフ) - ホクさん» ホクさん。お返事遅くなってごめんなさい。嬉しいお言葉をたくさんありがとうございます。楽しんでいただけたようですごく嬉しかったです。 (2021年4月14日 13時) (
レス) id: c148e10e11 (このIDを非表示/違反報告)
ホク - とても感動しました。他にはないストーリーだったのでとっても面白かったです！ (2021年3月29日 9時) (レス) id: 4442ae36ba (このIDを非表示/違反報告)
ちな(プロフ) - ゆーみんさん» ゆーみんさん。お返事遅くなってごめんなさい。いい作品と言っていただけて、本当に嬉しいです。元気出ました。ありがとうございました。 (2020年5月26日 18時) (レス) id: 39df0fabf1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーみん - 泣けてしまいました！凄くいい作品です！違う作品でも頑張ってください♪ (2020年4月28日 9時) (レス) id: b7e3681104 (このIDを非表示/違反報告)
ちな(プロフ) - rikapika18さん» rikapika18さん、はじめまして。めちゃくちゃ感動したとか、私の方がめちゃくちゃ感動で、すごく嬉しかったです。楽しんでいただけたならよかったです。本当にありがとうございました。 (2019年10月26日 0時) (レス) id: 39df0fabf1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちな | 作成日時：2019年6月14日 0時
