片思い18 ページ18
『は??デート?』
何言ってんの傑。と思っている間に車は出発し、進んでいく。私は「シートベルトちゃんとつけなよ」とのんきに言う傑を凝視する。
『え、え、どういうこと?』
「だから、デートさ」
『いや、それがよくわからないんだって。なんで私が傑とデートすることになってるの』
「別にいいだろう?ダメなのかい?」
『ダメっていうか…』
そんな気分じゃないというか…。というか傑とデートするほどの仲じゃないし、ただの友達だし。と心の中で思っていると、傑が窓の外を指差す。そこは既に街中で、目的地への疑問を掻き立てられる。
『…傑、どこ行くつもりなの?』
「そうだね…特にそれといって決まってはいないんだ」
『は?』
まさか無計画で連れてきたのだろうか。なんだかそう思うと無性に腹が立ってきた。なんで無理矢理外に連れてきたんだ。
「Aが決めてくれないかい?私はそれに付き合うよ」
『連れ出しておいて私任せ…?』
「だからこそAが行きたい場所のほうがいいだろう?」
『……』
なんだか暴論な気もするが、まぁいいか。
そう思い、私は行きたい場所を傑に告げた。
ーーーー*
『やっぱりこういう時は食べるに限る』
私達が来たのは、こじんまりとした隠れ家がコンセプトな和菓子専門店である。私が月一で来るお店だ。傑は和菓子を頬張る私を見て、ふっと笑う。
「そうか…」
『傑も食べなよ。これがおすすめ』
「じゃあそれを頂こうかな」
ここからは特に話もせず、私達黙々と和菓子を食べてゆく。しかしその沈黙は心地が良いもので、それはきっと傑だから。特有な何かがあるのだろう。そう思っていると、傑がふと思い立ったのか聞いてきた。
「そういえばA、和菓子は砂糖が大量に入ってそうで嫌だ、とか言ってなかったかい?」
『あー…いや、ここの和菓子は塩味と甘味が混ざってて、あまじょっぱいってやつ?だから食べれるんだよね』
「そうなのかい」
本当の理由は、それだけじゃない。
__ここの和菓子うめーんだよ!
悟が美味しいと言っていたから、ここに来て好みでない和菓子を食べた。それでたまたまハマって。
…あの時は悟と来たかったんだよな
でも彼には、一葉がいる。その時、口に広がる塩味がやけに強く感じた。甘味は全く感じない。それは今の私の気持ちを表しているようで。
…初めてここの和菓子を美味しくないと思った。
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AО777 - しろりんさん» 数字の振り間違いご指摘ありがとうございました。助かりました…! (1月16日 22時) (レス) id: e34a889bc1 (このIDを非表示/違反報告)
しろりん(プロフ) - AО777さん» 20話が抜けてます。 (1月15日 17時) (レス) id: 2a6843f9ca (このIDを非表示/違反報告)
AО777 - 琥珀さん» コメントありがとうございます!オチについてですが、現在未定といったところです。思い悩んでいるところですね。はっきりお答えできず申し訳ありません。そして、応援していただけているとのこと、とっても嬉しいです!励みになります…! (12月26日 10時) (レス) id: e34a889bc1 (このIDを非表示/違反報告)
琥珀(プロフ) - コメント失礼します!答えにくい物でしたら濁して頂いて構いません🙇️質問なのですが、オチは五条さん、夏油さんどちらのご予定ですか…?作者様の書く世界観が大好きなので、どちらでもちゃんと追って読みます☺️これからも応援しています! (12月26日 8時) (レス) @page19 id: 2c6daaf2a5 (このIDを非表示/違反報告)
AO777 - LuNaさん» うおぉぉ…そう言っていただけて死にそうです…(泣)性癖に刺さっていただけるとは…。コメントありがとうございます! (12月7日 5時) (レス) id: c3c7964942 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:AO777 | 作成日時:2023年11月25日 21時