【ポケモンXY】君はいつだって 5 (ページ43)

今日:4 hit、昨日:4 hit、合計:204,262 hit

一人のポケモントレーナーとして。ページ43

カルム視点

カ「すみません、部屋って・・・」

お姉さん「空いてますよ」

カ「借ります」

鍵を受け取り、部屋へと向かう。お隣さんはいまだにぐっすり。

カ「テールナー、鍵、開けられる？」

テ『任せて』

俺は両手がふさがってるので、テールナーに鍵を渡して開けてもらった。すでに廊下は暗くて消灯時間。・・・お隣さんは寝ていてよかったのかもしれない。

テ『とりあえず寝かせましょう』

カ「あぁ」

お隣さんを起こさないように、そっとベッドに置いてから、ソファに寝そべる。

カ「・・・疲れた」

テ『そりゃそうでしょうね。あの距離を走ったんですもの。途中、無理なジム戦までしたんでしょ？』

カ「まぁね。・・・しょうがないだろ、見たくなかったんだから」

テ『ま、Aがここにいるのは間違いなくリュカのおかげだと思うわよ』

カ「分かってるよ」

テールナーとそんな話をしていたら、もう寝れる気分ではなくなってしまった。・・・このまま起きていることにしようか・・・。
ふと、お隣さんの怪我に目が行く。

カ「・・・寝てる間に消毒とかして大丈夫かな」

テ『さぁ・・・見てて痛々しいものがあるわ』

カ「ばい菌が入ったらダメだし・・・テールナー、救急セット持ってきて」

テ『了解』

ソファから起き上がり、お隣さんが半分占領しているベッドのもう半分に腰掛ける。こうしてみると、やはり服のところどころに土がついていたり、怪我をしていたり・・・。

カ「・・・必死に、追いかけてきてくれたんだな」

お隣さんに怪我をさせてしまったのは、逃げてしまった俺のせい。

カ「ごめん」

そっとお隣さんの髪を触る。・・・まだ、お隣さんは起きる様子はない。

テ『持ってきたわ』

カ「サンキュ」

テールナーから救急セットを受け取り、消毒液を取り出す。ガーゼに染み込ませて、なるべく力を入れず怪我にポンポン、と当てる。

テ『ねぇ、カルム』

カ「ん？」

テ『貴方は・・・Aのこと、好き？』

カ「何をいまさら。好きだよ」

テ『そうよね。・・・じゃあ、バトルに手加減はする？』

カ「なんで？」

テ『・・・ライバルって競い合うものだから、相手に負けたら嫌いになるものなのかなって思って』

カ「・・・それはそれ、これはこれだ。バトルは別だよ」

テ『そう・・・』

カ「一人のポケモントレーナーとして、相手がどんな人でも手加減はしないよ」

そういうと、テールナーはどこか安心した顔を見せた。