【ポケモンXY】君はいつだって 5 (ページ39)

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応えられないから。ページ39

リュカ視点

「・・・あのっ」

リ「ん？」

Aはどうやら記憶喪失になってしまったらしい。・・・それは、ちょっと悲しかったけど無事でよかった。
けど、このままじゃカルムが不憫だ。いつも隣で笑いあってた、あの二人が・・・。

「・・・私とリュカさんは、どんな関係だったんですか？」

リ「・・・どんな関係・・・何ていうのかな。たまたま知り合って、ちょくちょく会ってる・・・みたいな」

「・・・それ、だけですか？」

リ「うん。僕よりも、カルムの方がずっとず～っと仲良かったよ」

「そう・・・・です、か」

リ「うん」

「・・・じゃあ、こんなこと言うのはおかしいかもしれないですね」

リ「・・・？」

「私！・・・リュカさん・・・のこと、好きみたいです」

リ「・・・は？」

「い、いきなりすみません！記憶喪失になったばかりなのに・・・でも、私本気です！」

頬を赤らめながら、そういった。・・・聞き間違いじゃない・・・。

リ「・・・A」

「は、はいっ！」

・・・顔、真っ赤だ。いつもの僕なら、きっと・・・泣いて、喜ぶんだろうね。

でも、ね。

リ「それには応えられないよ」

「・・・え？」

リ「ごめんね」

今の君は、記憶をなくしてる。そんな時に、たまたま思った感情には、応えられないんだよ？

「ちょ、ちょっと待ってください！私のどこがダメなんですか・・・？」

リ「・・・考えれば分かるはず、でしょ？」

「分かりません・・・私・・・全然・・・」

リ「何か引っかからないの？・・・僕、実を言うとAのこと好きだよ」

「・・・じゃあ！」

リ「でも！！！・・・君は、本当に僕のことを好きって訳じゃないでしょ？」

「いえ！私本気です！！」

リ「・・・違うよ、A。君が本当に好きだったのは僕じゃないんだ。前のAは、好きな人にもっともっと幸せそうな顔、見せてたから」

・・・分かってたよ。全部。Aがカルムのこと好きなことくらい。両想いだってことくらい。

それでも、僕のわがままのせいで、２人を困らせてたことくらい。

リ「A、追いかけてきな」

「え・・・？」

リ「きっと、会ったら分かる」

「どういう・・・？」

リ「いいから！行ってきて」

「・・・うん」

Aは、よく分からない顔をしてカルムを追いかけた。・・・これで恩返し、だなんて思ってないけど。

リ「・・・これで、よかった・・・よね？」

そう思うよ。