【名前変換オリジナル】先生こーりゃくっ！！

43話 ページ46

「お前シュートのセンスは恐ろしく良いな」

フリースローラインからシュートを撃っていると先生がそう呟いた。

「シュートのセンスも、って言ってくださいよ」

私は笑ってボールに指を引っ掛け、放つ。
パシュ、という心地よい音とともに、ボールはネットをくぐり抜けた。

「回転もフォームも完璧に近い。惚れ惚れするよ」
「……ありがとうございます」

私は顔が熱くなるのを感じた。
何故そんなに褒める。照れるじゃないか。

「どうせなら実戦で活かしたいだろ。……何故今活かせてないかわかるか」

先生は私の手からボールをとる。

私は空いた手で顎に手を当てて、少し思案した。

「……敵が目の前に来ると、物凄くシュート率が落ちますね。多分ビビってるんだと思いますけど」

先生は満足そうに頷き、ボールを私の手に戻した。

「大当たりだ。ビビってフォームが僅かに変わる。んで回転がブレる」
「……治りますか」
「さあ。俺にはいまいちピンとこない現象だからわからん。……けど、一つ使えそうな技を教えてやる。根本解決にはならないがな」

先生は確かに心臓が強そうだ。
……使えそうな技、ってなんだろうか。

「難しいぞ。フェイダウェイシュートだ」

私は先生のスマホを覗き込んでそのシュートの動画を見た。
簡単に言うと後ろへ飛びながらのシュートだ。

「すごい有名な選手がやってるのを見たことあるくらいですね」
「そうだな。やってみて無理そうならやめておけ」

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