９．ドライブ。 ページ9
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ふんふん、とカーオーディオから流れる音楽にのせて鼻歌を歌ってる隣の先生。
煙草を吸うためにすこしだけ開けた窓から聞こえる、外の車と風の音が心地いい。
信号で止まってコッコッと音を立てるウィンカー。
沈黙が気まずくないと思ったのは、誰以来だっただろうか。
「せんせ、」
「ん〜？」
「本当は良くないですよね。」
「なぁに」
「生徒と、ましてや2人で食事とか。」
彼は信号待ちを待ってましたとばかりに、煙草を探す。
さっき無くなってたじゃん、と心の中で突っ込んだ所で
「コンビニ寄ってい？」
と申し訳なさそうに眉を下げた。
信号が青になって、曲がった先にあったコンビニに車を停める。
ちょっとまってて、と急ぎめに出ていった先生は、同じ煙草を買って戻ってきた。
「でぇ、なんだっけ」
と煙を吐きながら私に問う。
「……何がですか？」
「さっきの、ほんとはダメとかいうやつ。」
「ああ、」
コンビニに寄ったこの流れで、自分が出した話題のことを完全に忘れていた。
まあ、遮ったのは先生だけど。
窓を開けるためにかけたままのエンジン音が、車内の空気を揺らしてる。
「教師と、生徒が2人でご飯とかダメですよねってはなしです。」
「さっきからダメダメばっかだなあ……笑」
「誰かに見られたりしたら、良くないです。」
「良くないねえ〜。」
煙草の灰を、今度は人差し指でトンと落として、
さっきまで窓の外を向いてた先生の顔が、私に向いた。
「でもさぁ、」
「……はい。」
「例えば、おれとAが、最初から付き合ってたとしたら？」
「…………はぁ？」
思わず出た返事に、こええー！と笑いながらも、だからぁ、と話を続ける彼。
「この学校に来ることが分かる前から、付き合ってたとしたら誰も文句は言えないじゃん」
「……」
「だって出会いは別に生徒と教師じゃねえんだもん。」
それは、実際の私たちだってそうじゃん。
先生なんて知らなかったよ。
心の中で、なにかがコトンと落ちていく。
「だとしても、先生、いくつですか。」
「とし？」
頷いてまた彼の顔を見ると、
「29」
と表情なく呟いて煙草をふかしてる。
「10個以上違うのに、それ、有り得ますか、？」
「おれは別に、上も下も気にしないよ？」
と呟いてから慌てたように
「あ、手出すとかそういう訳じゃないけどさあ！」
なんて言って煙草を消した。
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憂(プロフ) - みやさん» みやさん。コメントありがとうございます。こちらの私情であるにも関わらず応援して頂きまして、本当にありがとうございます。これからも先生と主人公ちゃんをよろしくお願い致します( •̥-•̥ ) (2022年12月1日 9時) (
レス) @page40 id: 39a6e0a5de (このIDを非表示/違反報告)
みや(プロフ) - 憂さん、はじめまして せつと申します。人生最大ゴタゴタの中素敵なお話を紡いでくださりありがとうございます。スローでもよきよき♪待ってますので 憂さんのペースでどうぞ。いい子で次のお話待ってますね。 (2022年12月1日 9時) (レス) @page40 id: a88f73c135 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：憂 | 作成日時：2022年11月4日 3時
